#41 エロティシズム各論 ― マンディアルグ篇


wigはセミロングシャギー。



Hoffmannさんのエロティシズム文学についてのお考えは、このマンディアルグに負っているところが大きいのですよね

うん、負っているというか、まんまというか・・・(^^;その理由は・・・いまはおいといて、名前についてひと言断っておこう。
このひとはふつう、マンディアルグと呼ばれているし、翻訳本の表記もマンディアルグになっているけれど、じつはピエール・ド・マンディアルグが全部姓で、アンドレが名前なんだよ

え・・・そうなんですか?(・_・)

「未来のイヴ」や「残酷物語」の作者も日本では一般にリラダンと呼ばれているよね、でもほんとうはヴィリエ・ド・リラダンというのが姓で、名前は・・・これがおそろしく長い、ジャン=マリ=マシアス=フィリップ=オーギュストというものだ、これと同じだね。
貴族をあらわす「ド」が姓と名の間ではなく、姓のなかに入るというめずらしい例だ

はあ・・・そういえば日本にも武者(ノ)小路のように姓のなかに「ノ」が入る例がありますね

まあ、ここでは慣用に従ってマンディアルグと呼ぶことにしよう(笑)





マンディアルグは1909年パリに生まれ、大学で考古学を専攻しながら、ドイツ・ロマン派やエリザベス朝の詩や演劇などに熱中していたそうだ。さらにシュルレアリスムにも接近して、戦後、主に画家のグループと親しく交わった。まあ、直接グループには参加しなかったようだけど。ちなみに夫人ボナはイタリアのシュルレアリスト画家だね。
1991年に82歳で亡くなっている

マンディアルグは日本では比較的よく翻訳されていますよね

評論集、対談集と戯曲を除けばほとんど日本語で読めるんじゃないかな。
三島由紀夫の戯曲「サド公爵夫人」をフランス語に移したこともあり、日本には縁が深いと言っていいだろうね。この翻訳については澁澤龍彦が―

私が三島の日本語とマンディアルグのフランス語とを厳密に比較照合したかぎりでは、ほとんど完全といってもよいくらい、これは原文に忠実な翻訳なのである。この点は、いくら強調しても強調しすぎたことにはならないだろう。ただ、その日本語のニュアンスをフランス語の文脈のなかによく生かして、耳で聴くに堪える美しいフランス語に鍛え直したのは、もっぱらマンディアルグだといってもよいであろう。

―と言っている

三島由紀夫の「サド公爵夫人」って、三島が澁澤の「サド侯爵の生涯」を読んだのがきっかけで書かれたのでしたね



dialogue#22に続く