#44 男か女か ― あるいは手術刀の秘儀


最近、こんな話題ばかり続きますな(^^;)写真は早朝のイメージです。





〜♪

Hoffmannさん、このレコード・・・

うん? ああ(笑)優美にはどう聴こえる?

ソプラノかメゾ・ソプラノか・・・なんだか異様な声ですね。男とも女ともつかない・・・



アレッサンドロ・モレスキ(Alessandro Moreschi)、ヴァチカンのシスティーナ礼拝堂聖歌隊の一員で、男性の歌手だよ

男性ですか(・o・;)・・・裏声、いわゆるカウンターテナーではないですよね

レコードのタイトルは“The Last Castrato”、つまり「最後のカストラート」。1858年に生まれて20世紀まで生きていた「最後の」カストラート歌手モレスキが遺した録音をまとめて復刻したものだ。1902年と1904年の録音だね。亡くなったのは1922年とあるな

カストラート歌手って、去勢歌手のことですよね(・_・)

思春期前に睾丸摘出の処置を施された歌手のことだ。そもそもカストラートとは「去勢する」という意味のcastrareの過去分詞形だね。語源はラテン語のcastro、「生殖を奪う」という意味だ。性腺機能が廃絶されるので、男性ホルモンの分泌が止まり、その結果声帯が発達せず、変声期を迎えることがなくなるので、声は子供のときのソプラノやアルトのまま保たれる

それでも身体的には成長するのでしょう?

そう。だから胸郭も成人並みになって、子供ではとうてい及ばない肺活量を得て、長い旋律を歌いきる幅のあるブレスと、豊かな歌唱力を持つことができるようになるというわけだ。つまり男子としての肉体的条件のおかげで声は力強い響きを持っている・・・





dialogue#25に続く