#48 火星大接近 ― あるいは天界の秩序




〜♪

この音楽は・・・(^^;)Hoffmannさんの好みではありませんね

(笑)まあね、聴けば聴くほど俗悪な音楽と思えるね。火星も接近していることだし、ちょっと聴いてみたくなったんだ。でも、この演奏はなかなかいい

イギリスの作曲家グスターヴ・ホルストの組曲「惑星」ですね

うん。太陽系の惑星ひとつひとつが表題になった組曲で、それぞれに副題が付けられている

1 火星  戦争の神 Mars,the Bringer of War
2 金星  平和の神 Venus,the Bringer of Peace
3 水星  翼のある使いの神 Mercury,the Winged Messenger
4 木星  快楽の神 Jupiter,the Bringer of Jollity
5 土星  老年の神 Saturn,the Bringer of Uld Age
6 天王星 魔術の神 Uranus,the Magician
7 海王星 神秘の神 Neptune,the Mystic

・・・という構成だ



冥王星がありませんね

作曲は1914年から1916年の間で、まだ冥王星は発見されていなかったんだよ

副題がユニークですね。たしかに、それぞれの音楽の印象にふさわしいと思います

ホルストは作曲にあたって占星学を相当研究していた・・・というのはホルストの娘でやはり作曲家でもあるイモージェン・ホルストの証言だ。

「・・・の神」っていうのは、火星、金星、木星、土星では原題が“the Bringer of ・・・”だから、「・・・をもたらすもの」と翻訳されていることもある。
でも水星は“the Winged Messenger”、天王星と海王星はそれぞれ“the Magician”と“the Mystic”だから、画一的に「・・・の神」と訳すのはどうかな




占星学というのは、人間の運命は変転きわまりなく見えるが、じつは一定の法則にしたがって天球を運行している星々と関連していて、その運命はあらかじめ定められているのではないか、という認識から成立したものだ

考えてみれば占いって、みんなそうですね。だから神秘的と思えるんでしょうね

とはいえ、17世紀に至って天体望遠鏡が発明されるよりはるかに以前から、占星術師たちはひじょうに多くの天文学的事実を発見してきた。道具といえば視線を導くための棒や定規を使って、もちろん肉眼で観測していたんだよ。天文観測儀も古くから使われていたようだ。たしかギリシアの天文学者が考案したものといわれている

天文観測儀って、アストロラーブですね(^^ )

澁澤龍彦がイスパハンに旅した折に骨董品店で青銅製のアストロラーブを買っている。映画ではウンベルト・エーコ原作の「薔薇の名前」で、ショーン・コネリー扮する修道士の荷物のなかから出てくるね、じっさいにそれを使っているシーンもあったよ

“The Name of the Rose”(1986)

天文観測儀って、トコトコ歩いて旅したりもするんですよね(^^ )





占星術師って、ただの占い師とは違って、同時に天文学者でもあったわけですね

有名なセリグマンの「魔法」によれば占星術師は学者であって、ことに数学と、原典を研究するための語学の知識は必須だったそうだ
そして国家の支配者も、人間や国家の命運は決して偶然によって導かれるものとは考えず、秩序立った天界の星の影響を信じて、占星術師を宮廷に侍らせた。星占いをするまでは、戦争を宣言したり、建築にとりかかったり、金融上の契約を結んだりすることもなかった・・・

そんな時代に彗星でも飛んできた日には、さぞかし大騒ぎだったんでしょうね(^^;)

(笑)占星術の原理は黄道十二宮と七惑星によって構成されるもので、太陽と月を除く各惑星は夜の宮と昼の宮に住むことができる。たとえば火星なら昼の宮は天蝎宮で、夜の宮は白羊宮だな。でも、惑星の影響力は自分の宮に入ったときがもっとも大きいけれど、最大の力を発揮するのは本来の宮にいるときではなくて・・・

・・・(・・;)? あ、あの・・・それぞれの惑星にはどんな意味があるんですか?

たとえば・・・金星は母性愛と愛の女神。水星は善と悪の両方を生む智慧の神で不確実。木星は死者を目覚めさせる混沌の征服者。火星は・・・死と疫病の神で王に死を予言する大厄だな

はあ・・・それで戦争の神というわけですね・・・なんだか、大接近と言って喜んでばかりもいられませんね(^^;;

まあ、一般的に星と考えれば(^^ )・・・タロット・カードにも「星」のカードがあるけれど、これは「洞察、霊感、希望」を意味するものだよ



それで安心しました(笑)( ^^)(^^ )



参考文献
K.セリグマン「魔法―その歴史と正体」平田寛訳 平凡社