#79 トイレット博士




アルバン・ベルクの歌劇「ヴォツェック」で、わずかなお金を渡してヴォツェックを人体実験に使っている医者がいますよね

ああ、ヴォツェックに咳をすることを禁じて、食べ物を豆に限っている医者だね。おかげでヴォツェックは精神錯乱の症状を呈している・・・

このオペラの原作であるゲオルク・ビュヒナーの「ヴォイツェク」では、禁じられているのは咳ではなくて・・・(・_・*

ああ(笑)小便だね。登場するなりヴォイツェクに「道で小便したろ。壁に小便を、犬みたいに」と文句を言う・・・ヴォイツェクが「自然にそうなるときには」と言い訳すると、医者は、膀胱括約筋は随意筋だ、人間は自由なのだ、尿をこらえられんなんて、と妙ちきりんな理論を振りかざす・・・アルバン・ベルクは原作どおりの「小便」じゃ下品にすぎると考えて、「咳」に変更したんだろうね

さすがに往来で立・・・エート(^o^*)・・・用を足すというのも、最近ではほとんど見られないのでしょうね

まあ、よほど事態が切迫していて、人通りもないところなら多少は(笑)・・・でも、立小便そのものは、わりあい最近まで世界じゅうのどこでも、めずらしくない振る舞いだったんじゃないかな

そういえば、「今昔物語」を読んでいましたら、ある若い女が小用をもよおして、塀に向かってしゃがみ、用を足しはじめたところ、そのまま動かなくなってしまったというお話がありました。2時間ほどたっても立ち上がる気配もなく、お供の小女が声をかけても返事もない・・・

土塀の穴に蛇がいて、この蛇にみいられたために動けなくなっていたのだね。この話では女性がこんなところで用を足していることについては、特別なこととして語られてはいないね・・・となると、古くは女性でも、まあ人気のない道ばたでは用を足していたんだろうね





dialogue#45に続く