#81 エロティシズム各論 ― 造物主の性


節目で登場するテーマとなりましたな〜(^_^;)

わざわざ表題にする必要もないような気もしますね(^o^*

あえて表題に「エロティシズム」と付けなくても、ふだんから取りあげているテーマなんだけどね・・・(^o^;



・・・で、ヴァージニア・ウルフの「オーランドー」とバルザックの「セラフィタ」を読んだんですよ

アンドロギュヌス、すなわち両性具有の物語だね。ヴァージニア・ウルフの小説の主人公オーランドーは1586年に16歳の美少年として登場して、1928年には36歳で一児の母となるという、なんとも不思議な物語だ

一方、バルザックの小説では、主人公は、女性ミンナに対しては男性セラフィトスとして、男性ヴィルフリドに対しては女性セラフィタとして現れるのですね。でも、この小説はストーリーを愉しむというよりも、神秘的な格調高い哲学書のような雰囲気がありますよね

「セラフィタ」については、エリアーデも、アンドロギュヌス神話をテーマにしたヨーロッパ文学の「最後の偉大な作品」であるとしているね



そもそもアンドロギュヌスandrogynusとは、andro(男)とgyn(女)の結合した語だね

両性具有についてはgallery#45dialogue#26でちょっとだけお話ししましたね

原初の人間の性は三種類、現在の男性、女性のほかに男女というものがあった。その姿は球形だったが、驕慢な人間たちは神々に逆らってゼウスの怒りをかい、その身体をまっぷたつに切断されてしまった。それ以来、人間はそれぞれの半身を求めてふたたび元の一身同体になろうと熱望するようになった・・・これがプラトンが「饗宴」のなかでアリストファネスに語らせている、いわゆる「愛慕の説」だよね

ここで日本語では男女(おめ)と訳されているのがアンドロギュヌスなんですね

ついでに言うと、切断された傷口を縫い合わせたのが臍の部分だということだ

ちょっとしたユーモアですね(^^*

アリストファネスそのひとは、自作の喜劇「鳥」のなかで、オルフェウス教を登場させている。これによれば、原初の混沌(カオス)夜(ニユクス)が卵を産み、その卵から愛(エロス)が生まれ、さらにこのエロスが神々と万物を生成した―これがオルフェウス教の宇宙創成説だね。単独でこれを行ったエロスは両性具有とされている。

あと、ヘルメスとアプロディテの子であるヘルマフロディトスは美しい少年であったけれど、ニンフに愛されて男女一体となってしまう・・・これも両性具有だね


ヘルメスって、かかとに翼を持つ・・・

神々の使者であり、錬金術の祖神だ。まあ、ヘルマフロディトスは比較的後の時代に創作されたらしくて、キケロによればヘルメスとアプロディテの間に生まれたのはエロスだという・・・だからエロスとヘルマフロディトスを同一視する見方もあるんだね

両性具有の概念に対しては、決して不健全なイメージがあったわけではないのですね

そりゃ根元的な統一体―少なくともその観念の形象化されたものだからね。心理学者に言わせれば、両性具有は人間にとって「元型」であるということになる

神秘的な存在であると・・・

「創世記」でも、ある文献では「神は自らにかたどって人間を創造した」「・・・男と女に創造した」とされていることから、創造主は両性具有であると主張するラクタンティウスのような学者もいたんだよ





dialogue#46に続く