monologue 2009.08

2009.01 2009.02 2009.03 2009.04 2009.05 2009.06 2009.07
2008.01
2008.02 2008.03 2008.04 2008.05 2008.06 2008.07 2008.08 2008.09 2008.10 2008.11 2008.12
2007.01 2007.02 2007.03 2007.04 2007.05 2007.06 2007.07 2007.08 2007.09 2007.10 2007.11 2007.12
2006.01〜2006.03 2006.04〜2006.06 2006.07〜2006.09 2006.10〜2006.12
2005.01〜2005.03 2005.04〜2005.06 2005.07〜2005.09 2005.10〜2005.12
2004.12




2009.08.29 sat



これはEdiht Nesbit、児童文学畑のひとですね。一般(成人)向けの恐怖小説も書いているんですが、お写真はfantasy。現実的な日常生活のなかに非日常を接触させるあたり、19世紀から20世紀への転換点を中心に活躍した作家ならでは。いわゆる幻想文学の手法を思わせます。




2009.08.28 fri



Fritz Leiberは翻訳でいくつか読んで、2、3おもしろいと思ったものがあったので注文してみたんですが、届いた本はこんなの(^^;なんだか表紙見ただけで読みたくなくなっちゃいますなあ(笑)




2009.08.27 thurs

切り裂きジャックについては以前取りあげたことがありましたね。そのとき下敷きにしたのはこの本―。



仁賀克雄による左の早川文庫版です。これは1985年刊行された本の文庫化。同じ著者による右は、1997年に刊行された本の文庫化で、つまりこちらは1993年にスコットランド・ヤードの切り裂きジャック関連ファイルが閲覧解禁になった後に新たに書かれたものなんですね。それでも、左の古い方がより良書。とくに新しい方の「第一部 凶行」など、小説仕立ての、あたかも「見てきたような」記述にはちょっとシラけちゃいます。もちろん、ヤードの資料が解禁になって現在に至るも、ジャックの正体が特定されたわけではないし、諸々の説(妄想含む)で名指されている容疑者も1985年時点で出尽くしていた感あり。

そういえば、例のスティーヴン・ナイトの説、あれ、「切り裂きジャック―最終結論」なんて表題で出版されたせいか、これが真相だと思いこんでいるひとがいるんですよね。先日もwebを漂流していたら、「1970年代に至って、ある証言により切り裂きジャック事件は解決を見た、じつは犯人は・・・」といった調子で、このホラ話を紹介しているひとがいましたね。たまたま読んだものを鵜呑みにしちゃあいけませんよ。




2009.08.26 wed



このillustrationを見て、Lord Dunsanyの本かと思うひともいらっしゃるかもしれませんが、Dunsanyではありません。

そういえば、HoffmannさんはDunsanyはまったく読まれませんね



Hoffmannが世界文学全集の編者ならば、うち一巻に必ずやをこの作品を収録するんですけどね。




2009.08.25 tues



Francis Marion Crawford、このイタリア生まれのアメリカ作家の作品も、翻訳紹介されているのはごく一部。作風は多彩とは言いかねるものの、短編いくつか(及び長編ひとつ)でどうこう言える作家ではありません。

ちょっと古いゴシック・ロマンスにゴーチエの異国情緒を加味したような味わいがありますよね

まあ、なんといっても有名なのは、平井呈一の訳もある海洋奇譚の傑作「上段寝台」ですね。海洋・・・ときて連想するのはこちら―



言わずと知れたArthur Conan Doyleですね。ただしお写真の本は海洋ものではなくて、いわば正統的Ghost storyですよ、ええ(笑)

・・・って、さりげなくおっしゃってますけど、それで話を終わらせちゃっていいんですか? これはまた、なんとも貴重な短編小説じゃないですか・・・(・・; 
( ̄ー ̄*niyari




2009.08.24 mon



Richard Marshの“The Beetle”を読むと・・・



連想でジョン・ディクスン・カーの「アラビアン・ナイト殺人事件」を読みたくなったり・・・(^o^*



いやいや、William Wilkie Collins“The Woman in White”といきたいね(^^*



Hoffmannさん、白衣ふぇちですかっヾ(^∇^* (^o^;いやそのオペラはまた別なハナシだから・・・

そういえば「黒衣の・・・」という小説もいくつかありましたよね

「赤い帽子の・・・」てのもあったな(^^;

それ、知りませんけど・・・本をお持ちなんですか? 読んでみたいですね(^^*

いやいやいやいや・・・(^o^A; 
(・・?





2009.08.23 sun



高名な作曲家の有名な作品でありながら、てんで人気のない音楽です。この作品を愛聴しているというひとに出会ったことがありませんが、それでいいんです。おかげで安心して愉しむことができます。

感情移入されることを拒否しているような音楽ですからね〜

ベートーヴェンは自己主張の音楽、自らの存在を認めさせようとする音楽、バルトークははじめから自己主張に挫折したと評されるように振る舞っている音楽だよ

私はこの弦楽四重奏曲を聴いていると、なんとなく、不満顔のジャンヌ・モローを思い出すんですよね(笑)




2009.08.22 sat



Wagnerの好きなHoffmannですから、Heinrich August Marschnerの作品には以前から関心を持っており、その少ないdiscもときどき聴いていたんですが、近年“Der Vampyr”、“Hans Heiling”といった代表作には再評価の兆しあり、ほかの埋もれた(とくに歌劇作品)もぜひ音にして聴かせてもらいたいものです。上はピアノ三重奏曲第2番と第5番。

ドイツ・ロマン主義作品には文学でも音楽でも、壮大に膨張するかひっそりとミニマムに沈潜するか、といったふたとおりの流れがあるものですが、後者の場合、たいして「沈潜」もしていないのに、余韻嫋々たる陳腐なsentimentalismが鼻持ちならんようなものがありますね。これはいつの時代でも陥りやすい傾向なのか、現代でもそんな文章を書く作家はいるし、そんなのに限って猿真似しているひとも多い。しかしさすがに存命中は同時代の作曲家たちに賞賛され影響を及ぼしただけのことはあり、Marschnerの音楽はそんなに俗っぽいものじゃありません。意外やその素直さが身上。




2009.08.21 fri



なぜ、あえて「豚インフルエンザ」と呼ぶのか、「豚インフルエンザ」という通称名を使うのか。その呼び名によって、人々の深層心理にどんな効果・影響を及ぼしているのか・・・なんてことが書いてある本ではありませんよ。それはたとえばこんな本を読んでから考えること。

どうもimageとかsymbolといった発想に傾きがちですね〜(^^;



2009.08.20 thurs



ありゃま、第四作が出ていたなんて気が付きませんでしたよ。

「2006年5月発行」とありますよ〜(^^;

たまにゃ新刊書店にも寄らなきゃね〜(^o^A;


ラリイ・ニーヴンはSF作家のなかでもわりあい好きなひとなんですけどね、とりわけ大作好きのHoffmannとしてはやはり「リングワールド」を最高傑作として称えたいところ。偶然発見された未知の構築物(リングワールド)の謎を探るべく、冒険家ルイス・ウー、パペッティア人ネサス、凶暴なクジン人の戦士らが乗り込む、というstory。リングワールドとは、恒星の周囲にリングがあって、このリングの内側に海や大陸がある世界。その大きさたるや、解説によれば16億分の1に縮尺すると半径95m、幅1m、この縮尺だと地球は直径約8mm、地球と月の距離は25cmだというから途方もなく壮大なスケールです・・・が、どうも第二作、第三作と尻すぼまりの印象もあり。これから読む第四作には期待したいところ。


(おまけ)



いわゆるSF小説のなかでも、Hoffmannがすこぶる気に入っているいくつかの小説のうちのひとつがこちら―。

これは私も好きですよ〜




2009.08.19 wed

デルヴォーの名前が出たのでちょっとふれておこう。Hoffmannはこのひとの名前、ピエールをよくポールと言い間違えてしまうんですが、そんなことはどうでもよろしい。

Pierre Dervauxは1917年生まれのフランスの指揮者。パドルー管弦楽団、パリ・オペラ座、カナダのケベック交響楽団、ロワール・フィルハーモニー管弦楽団などの音楽監督を歴任。1992年没。discはやはりダンディ、ビゼー、サン=サーンスといったフランス音楽が多く、とくに有名なのはサン=サーンスのヴァイオリン協奏曲かな。この録音はHoffmannが贔屓のウルフ・ヘルシャーのソロも秀逸ですね。

しかしだれでも知っているdiscの話をしたっておもしろくない。ここはドイツものの序曲集を取りあげちゃいます。



HMVというか、La Voix de son Maitreの10inch盤。デザインはご覧のとおりAtlier Cassandre、カサンドル工房ですね。収録されているのはベートーヴェンのコリオラン序曲、Wagnerの歌劇「さまよえるオランダ人」序曲、ウェーバーの歌劇「オイリアンテ」序曲、ブラームスの大学祝典序曲の4曲。オーケストラはOrchestre du Theatre National de l'Operaとあるので、パリ・オペラ座管弦楽団でしょうね。

鮮明なmono録音で、やや明るい響きながらドイツ音楽として場違いでない好演です。たしかな構築性にも欠けることなく、表情付けはダイナミクスの変化に妙味あり。ソロは名手揃いと見ました・・・というわけで、こういった、だぁーれも注目しないdiscに美点を見出すのは愉しいもんですなあ(笑)




2009.08.18 tues



マスネの組曲集、LP2枚組です。

ガーディナー指揮モンテ=カルロ国立歌劇場管弦楽団の演奏でございますねっ(^0^*



なぜかふた組ありますねっヾ(^∇^* (-_-A; (^o^*

ガーディナーもこの頃の方がよかった?(笑)


ここに収録されているのは第3番「劇的な風景」、第6番「」おとぎの国の風景」、第7番「アルザスの風景」、第4番「絵のような風景」ですね。なかでももっともポピュラーなのが第4番で・・・ございますね〜(笑)

もういいよ(^^;でもこの「絵のような風景」という訳は、日本語だとちょっとイメージが違うなあ。「ピクトレスク(ピクチャレスク)な風景」と、そのまんま受け入れた方がいいんじゃないかと思うね


その組曲第4番、左はピエール・デルヴォー盤、右はルイ・フレモー盤。フレモーの録音はこれまでにもさんざん取りあげた、プーランク「牝鹿」の国内盤LPにも収録されているんですが、今回は英プレス盤(ただし廉価盤)の写真をupしておきます。

フレモー盤はHoffmannさんご贔屓のdiscだと思いますが、デルヴォー指揮オペラ・コミークの演奏もいいですね




2009.08.17mon


いえね、先日自宅へ帰ったんですけどね、今回はMozartのオペラ、とくに「ドン・ジョヴァンニ」とか「フィガロの結婚」あたりをしこたま聴いてこようと思っていたんですよ。ところがじっさいに聴いたのはこの「牧人の王」とか「偽の女庭師」とか(笑)ちょっと古いレコードですが、さすがにいずれも歌手陣が充実。

後者はドイツ語版ですが、どちらも作品に対してもったいないかというくらい、すばらしい歌唱が聴けますね


バランスをとるために(なんの?)「イドメネオ」と「皇帝ティトゥスの慈悲」も。こちらも歌手はいいんですが、なかにはやや弱いかなというひとも。



これは「牧人の王」の解説書から―。

あらま、お若いですね〜




2009.08.16 sun



かつてコリン・デイヴィスといえばそのMozart演奏はレコードが出るたびに評判になったもんですが、近頃はすっかり忘れ去られたかのよう・・・たしかに、その録音をいま聴けば、影が薄くなったのも分かるような気がします。



アーノンクールなんて、この先どうなるんでしょうね。アーノンクールといえば、Hoffmannは新録音のdiscが出るとすぐに聴きたくなって手を出してしまうんですが、なぜか(Mozartに限らず)どれも繰り返し聴く愛聴盤とはなりにくいんですね。



某音楽家が自宅での取材の際にこのガーディナーの「魔笛」のdiscの写真を撮らせて、「ホグウッドの『魔笛』なんかいいですね」てな発言してましたが、誤植じゃないでしょう。取材する(そして原稿を書く)側もどうかと思いますが、あらら、ガーディナーったら、はやくも影が薄くなっちゃったのか・・・。

Hoffmannさん、Hoffmannさんはいつも海を見ながらなにを考えてるんですかっ?ヾ( ̄∇ ̄*

なにか考えることはねぇかなあって、考えてるのさ・・・なんだか魔笛がおれを呼んでいるような気がするぜ・・・( ̄- ̄〃

ちょ、ちょっと、ふたりしてなにをやってるんですか〜(^o^;




2009.08.15 sat



東京創元社の怪奇小説アンソロジーが江戸川乱歩による編纂ならば(monologue 2009.07.26 sunあたりを参照な)、早川書房のポケミスは都築道夫によるselection。

「幻想と怪奇」の2巻本―上の2冊ですね。でも、「早川書房編集部編」となっていますよ

当時都築道夫が編集者として担当したんだよ、たしか当時26歳くらいじゃなかったかな。スタインベックの「蛇」とかカポーティの「ミリアム」あたりを(自分で訳して)入れたのが当時としては画期的に新しい


若い編集者の独創性ですね。若いということはいいことです(^^*ちょっと突っ張ったところもほほえましく、でもそうした気負いこそがそれまでの常識を変えていくんですよね

版権を取らないですませるために、入れたくても入れらなかった作品(ロアルド・ダールのどれからしい)もあったそうだけど・・・第1巻はシェリダン・レ・ファニュ、マリオン・クロフォード、E.F.ベンスン、ブラックウッドと手堅くまとめて、第2巻ではビアース、サキ、ジョン・コリアと並べてスタインベック、カポーティーで締める、というのはその制限故の結果だったとしても、充分に主張を感じさせる構成だよね

そして中央が「新・幻想と怪奇」ですね

これは今年になって出たアンソロジー、仁賀克雄編・訳だね。マンリー・ウェンド・ウェルマン、リチャード・マシスン、ロバート・ブロック、レイ・ラッセルなんて並んでいるあたりがこのひとらしい。そうかと思うとA.M.バレイジなんて入っていたりして・・・でも残念ながら巻頭のローズマリー・ティンバリーを読んでガッカリ、おかげで中断したまんま(^_^;これ、3ページで結末は予想がついたし、幻想でも怪奇でもホラーでもないぞ

仁賀克雄といえば、例の切り裂きジャックものを思い出しますね

あれは古今東西の切り裂きジャック関連書のなかでもいちばんよくまとまっていて、またさまざまな研究(書)にも目配りのきいた良書だよね



これは朝日ソノラマのソノラマ文庫「海外シリーズ」ですね

1984年から1987年まで刊行された、SFもの、ファンタジーから怪奇小説を収録したシリーズだ。全35巻、別巻が1巻、これが仁賀克雄監修なんだな


Hoffmannさんがお持ちなのは14巻(冊)ですか

怪奇小説ばかりだなあ(笑)この会社、もう文庫本の出版はやめちゃったんで、いまではものによっては結構いい値段で取引されているみたい。でも、じつはどれも刊行当時に買ったのではなくて、ずっと後になって、古本屋(古書店ではなく・笑)で100〜260円程度で入手したの(笑)表紙の絵柄がこんなんだからね〜(^o^A;

仁賀克雄監修ということですが、このひとが翻訳したH.P.ラヴクラフトの「暗黒の秘儀」が入っていますね

創土社版のリプリントだね、ま、これは有名どころ。ほかに目を向けると、シンシア・アスキス、ヴァン・サール、デニス・ホイートリー、ピーター・ヘイニング編纂によるアンソロジーなんかがあって、なかなかおもしろい選択だ(アンソロジーならまとめて版権取ればいいから手間もかからんだろう)。いや、ホイートリーやヘイニング編では無邪気な(格調低い)怪奇あるいは幻想ファンタジー作品も収録されていて、玉石混淆というよりむしろ石の方が多いくらいなんだけど・・・そのあたりもこうした分野ではそれなりの存在価値はあるからね(*^^)♭(^o^*B級映画みたいなものですか? 同様のことはフリッツ・ライバー、レイ・ラッセル、ロバート・ブロックなどの短篇集にも言えること。いわんやブラックウッドやクラーク.A.スミスの作品集においておや・・・

ヴァン・サールによるアンソロジーには多彩なイギリス作家のほか、アーカム・ハウス作家の作品が含まれているかと思えば、H.H.エーヴェルスの短篇まで収録されていますね

「B級映画みたい」といえば、ロバート・ブロックの「サド侯爵の髑髏」もこのシリーズで読める。これはAmicusプロの映画“The Skull”(1965)の原作なんだよね

ヤオヤーヾ(^∇^*)/ホンヤー (^o^;花ちゃん、それは八百屋さんと本屋さんがモメるからだめ〜

#元ネタがわかるひとはいるかな?(笑)




2009.0814 fri


昨日ブラームスのピアノ四重奏曲第1番のシェーンベルクによるオーケストラ編曲版、若杉弘指揮ケルン放送交響楽団のdiscを取りあげましたね。そこで本日は、同曲のほかのdisc、Hoffmannが気に入っているものを3点。

私もこの作品は好きですよ(^^*昨日Hoffmannさんは「ラトル盤はシェーンベルク寄り、ティルソン・トーマス盤はブラームス寄り」とおっしゃってましたが、左のミヒャエル・ギーレン指揮SWFの録音は、ラトルの路線をより徹底させた演奏となっていますね

カップリングされているのがバッハの「6声のリチェルカーレ」のウェーベルン編曲版、J.シュトラウスの「皇帝円舞曲」のシェーンベルク編曲版だからね。編曲者に焦点を合わせたdiscだよね。さすがに自身が作曲家だけに目の付けどころが違うね

中央はジェフリー・サイモン指揮ロンドン交響楽団による演奏、右はDaniel Raiskin指揮Staatsorchester Rheinische Philharmonieによる演奏のdisc、いずれもカップリングはブラームスのクラリネット・ソナタOp.120第1番の、ルチアーノ・ベリオによるオーケストラ伴奏版ですね


サイモン盤は都会的な洗練された響き、Raiskin盤はやや渋め・・・というか、ちょっとオーケストラが弱いかな

ブラームスのクラリネット・ソナタは、ヴィオラで演奏されたものも魅力的で甲乙付けがたいんですが、このベリオ編曲版のクラリネット協奏曲(?)もいいですね




2009.08.13 thurs

追悼・若杉弘 (その3)


若杉弘の指揮したベートーヴェン交響曲第3番「英雄」のdiscです。左からケルン放送交響楽団、シュターツカペレ・ドレスデン、ザールブリュッケン放送交響楽団の演奏。


ザールブリュッケン放送交響楽団との録音はARTE NOVAからほかにもいくつかあって、こちらはブルックナーの交響曲第2番、第9番。Hoffmannは若杉弘のWagnerやマーラーを「柳腰のWagner(Mahler)」なんてよく言いますが、この第9番はひと味違って意外や骨太。


ドレスデン国立歌劇場は東西ドイツの壁が崩壊した直後、同歌劇場の音楽監督にも就任したものの、1年を経ずに解任されて自己profileには載せていなかったようですね。レコーディングされたのは、上記「英雄」のほかにWagnerの序曲・前奏曲集とマーラーの交響曲第1番の3点。いずれもやや線が細い。日本からスタッフが機材を抱えて録音に赴いたとのこと、響きが薄味なのは録音のせいもあるかも。ただし大量のマイクを立てたマルチマイク録音としては不自然さも少なくて比較的良好。


ケルン放送交響楽団との録音では独harmonia mundiから出たウェーベルンとベルクの作品集でしょうか。これは国内盤LP。


こちらは独プレス盤。同じharmonia mundiの名を冠していても、仏は優秀録音が多いのに、独はやや平面的、高域強調気味で硬質。しかしここではその「キツさ」が収録された作品にふさわしくもあります。



ブラームスのピアノ四重奏曲第1番のシェーンベルクによるオーケストラ編曲版。1970年代の録音で独Koch/Schwannから出たLPです。もちろん国内盤が発売されたことはないんですが、昔から一部では有名な録音でしたね。このシェーンベルク編曲版はクレンペラーが好んでよく演奏会で取りあげていたらしいんですが、録音はこの若杉盤より以前には1点か2点しかなかったんじゃないかな。
ラトル盤、ティルソン・トーマス盤はこれより後。ちなみにラトルはシェーンベルク寄り、ティルソン・トーマスはブラームス寄りといった演奏でその対照がなかなかおもしろい。若杉弘はどちらかといえばブラームスの音楽(旋律)重視のようでいて、随所で「響き」―つまりシェーンベルクによるorchestrationへの配意が感じとれるあたり、ユニークな演奏となっています。Hoffmannの大好きなレコード。

(おまけ)
monologue 2006.08.08 tues
から一部を再録。

---ここから---


こちらは若杉弘指揮、ドレスデン国立歌劇場管弦楽団によワーグナー序曲・前奏曲集。録音は1984年12月17〜21日。精確にいえばETERNA録音ではなく、CBS SonyとDeutsch Shallplatten共同のプロジェクトで、日本からもスタッフが派遣されており、エンジニアとしてClaus Struebenと半田健一の名前がクレジットされています。


若杉、ドレスデン国立歌劇場の組み合わせでは、その後1985年6月にベートーヴェンの交響曲第3番、1986年8月にマーラーの交響曲第1番のdiscが、このワーグナーと同様にCBS SonyとDeutsch Shallplattenによって共同製作されており、エンジニア二人も同じ。マーラーのみLPでの発売はありませんでした。たしかベートーヴェン国内盤発売のときに、日本からスタッフが赴きマイクを何十本立てた、なんて広告が出ていたように記憶していますが、マーラーのCD解説書の裏にある録音風景の写真を見ると、そんなにマイクが林立しているようではありません。

左は当時発売されたCBS Sonyの国内プレスLP、右はBerlin ClassicsのCDですね

国内盤LPは、細部に至るまでひじょうに鮮明に聴こえるね。分解能という点ではCDを上回る・・・でも、どこかハーモニーというものを置き忘れてきたみたいな響きと聴こえ、たとえれば、シャープネスを強めにかけて不自然になってしまったデジカメ写真のような印象だな。具体的には、高域を持ち上げているみたいだね

よく、初期のデジタル録音について、「デジタルくさい」なんて言いますけれど、この2枚ではアナログLPの方がデジタル録音であることをより意識させますね。CDの方がやわらかい響きで、このオーケストラの音色がよく分かりますよ

バランスはCDの方がいいかな。このLPだと、知らずに聴いたらどこのオーケストラか言い当てるのは難しいかも・・・でも、音像の実在感ではLPの方が上だろう

演奏は勢いや激しさで聴かせるものではなく、あくまでしなやかで美しい響きを重ねていく、といったものですね

録音のせいばかりでなく、ちょっと線が細いね。収録されているのは「さまよえるオランダ人」、「タンホイザー」、「リエンツィ」の序曲と「ローエングリン」第一幕への前奏曲、第三幕への前奏曲で、これはドレスデンにゆかりのある作品を選んだんだろう。でも、若杉弘には「トリスタンとイゾルデ」や「パルジファル」の音楽を録音してもらいたかったなあ
---ここまで---




2009.08.12 wed

追悼・若杉弘 (その2)


若き日の若杉弘、読売日本交響楽団を指揮してのレコーディングです。左はベートーヴェンの交響曲第6番「田園」、中央はベルリオーズの幻想交響曲、右はモーツァルトのレクイエム、いずれも国内盤LP。たしか以前にも取りあげたことがありましたね。モーツァルトは2枚組で、1965年12月モーツァルト175回目の命日に東京カテドラル聖マリア大聖堂で行われた追悼ミサの実況録音です。これは、聖歌隊によるグレゴリオ聖歌の合唱や司式司祭の福音の朗読、黙祷(!)などを間にはさんで、ミサの進行に合わせて演奏が進行するもの。残響たっぷり(すぎて)、録音には苦労したでしょうな、独唱の音像がやや大きく聴こえるのは仕方がない。



これはモーツァルトのレコードの解説書から―お若いですね。このほかに同オーケストラとの演奏でHoffmannが持っているのはチャイコフスキーのバレエ組曲「白鳥の湖」、「くるみ割り人形」のLP。どちらもいい演奏です。


その後の日本のオーケストラとのレコーディングは東京都交響楽団とのマーラー、R.シュトラウス、バルトーク、NHK交響楽団とのブルックナーなどがありますが、ここは都響との3枚のdiscで代表させちゃいます。左の2枚はWagnerの交響曲、右は武満徹の作品集。オーケストラの自発性がすばらしい。程度の低いサラリーマン集団たるN○K交響楽団に欠けているのはこれ。ついでに言ってしまうが、団員がヘーキで(得意になって?)自身のブログで来演した指揮者を批判などしているが、あんなのふつう公務員だろうが民間企業の社員だろうが、絶対にやってはいかんことだろう。陰でなにを言おうと勝手だが、世間に(手前の不潔なツラとともに)そんな暴言を公開しているのはいかがか。社会人として非常識、人として下劣で幼稚な低脳が(たとえば)ヴァイオリンをこすっているのがNH△交響楽団というオーケストラなんである。

私は若杉弘さんの武満作品なら、例の「他人の顔」の映画音楽が好きですねヽ( ̄0 ̄)/Wo bist du〜♪ お聴きになりたい方はこちらのページのショートカットをどうぞ

(おまけ)
monologue 2007.09,20 thursから一部を再録しておきます。


---ここから---


若杉弘指揮 東京交響楽団
阿部容子(Sop)、グヴェンドリン・キレブルー(A)、国立音楽大学(合唱)、合唱指揮;佐藤公孝、副指揮;林紀人
1980年11月10日 東京文化会館
TS-8011(LP)(東京交響楽団の自主制作盤)

若杉弘はHoffmannの好きな指揮者なんですが、好きだからといってなんでもいいというわけにはいきません。オーケストラがあまりに弱すぎます。第1楽章など、まるで暗闇を手さぐりで進んでいるよう。ただ、多くの指揮者が無視してしまうような楽譜の指示を実行したり、個性的なアクセントをつけるあたりなど、若杉弘らしい演奏ですね。とくにその個性が発揮された第3楽章あたりからは、オーケストラも多少充実してくるんですが、終楽章に至ると、こんどは合唱団が弱さを露呈して、オーケストラももたつき気味。

アルトのソロはなかなかいいですよね

じつはこのlive録音も、Hoffmannは当日会場で聴いていたんだよね。そのときは結構いい演奏だと思って聴いていたのに、こうしてdiscになって繰り返し聴くと、欠点が目立っちゃうんだなあ・・・


残響感の少ない、ちょっとドライな録音にも、そうした欠点をあからさまにしてしまう傾向がありますね



若杉弘指揮 東京都交響楽団
佐藤しのぶ(Sop)、伊原直子(A)、晋友会合唱団、合唱指揮;関屋晋
1990年3月30日 サントリーホール
fontec;FOCD2705/6(CD)

若杉弘が当時音楽監督を務めていた東京都交響楽団とのlive録音、このオーケストラとは全交響曲を録音していますね。上記1980年の東京交響楽団とくらべると格段に充実した演奏となっています。若杉弘と東京都交響楽団はほかにもいくつかdiscがあるんですが、日本のオーケストラにはめずらしいような、表現への自発性が感じられるあたりがすばらしいですね。

第1楽章を、この楽章の音楽の原型となった交響詩「葬礼」に置き換えて演奏するなど、かなりユニークな試みですね
---ここまで---





2009.08.11 tues

黄泉瓜新聞のニュース、ソースはこちら―。

ttp://news.www.infoseek.co.jp/topics/society/n_dead__20090811_3/story/20090811_yol_oyt1t00784/


---ここから---

地震で崩れる?大量の本に埋まり女性死亡 (読売新聞)
 11日午前9時50分頃、静岡市駿河区南町のマンションで、会社員女性(43)が大量の本にうずもれて死亡しているのを、母親が見つけた。
 県警は11日早朝の地震で本が崩れ、女性が死亡した可能性もあるとみて、解剖して詳しく調べる。
 発表によると、母親は連絡がつかないことを心配し、部屋を訪ねたところ女性があおむけで死んでいた。本は部屋の床に積み上げるなどしてあったという。
 女性は10日午後6時頃、勤め先を退社していた。
[;2009年8月11日16時49分]

---ここまで---

他人事じゃないのです。Hoffmannの家も危険水準を大幅に上回っています。震度3以上の地震があるとすぐに老母が電話をしてくるのも当然なのです。




2009.08.10 mon

忙しいのと、そこへもってきて急な用件で外出していたため更新が止まっておりますが、近日まとめてup・・・できるかもしれない(-_-;まあいずれにせよ、やがて再開はされるであらう・・・。

なにが「あらう」なんですか〜(*^o^)σ)~0~)/プニッ♪




膨満?(・∇・;

短篇集だけど、この表題作は、第一次大戦中窮地に陥ったイギリス兵たちを弓兵が救う奇跡譚だね。作者の創作にもかかわらず、実話だと信じこんで、というより、実話だと主張するひとがあとをたたず、たいへんな反響を巻き起こしたんだよね。設定だけなら「戦国自衛隊」とか「ベルリン忠臣蔵」とか、似たようなアイデアはその後もいろいろ・・・(笑)

「戦国自衛隊」はともかく、「ベルリン忠臣蔵」とはマニアックですね〜(^o^A;




2009.08.02 sun



“Three Vampire Tales”という標題、収録されているのはBram Stokerの“Dracula”、Sheridan Le Fanuの“Carmilla”、John Polidoriの“The Vampyre”といった、有名かつstandardな作品。webで見て、表紙がなかなか美しいと思っていたのに、じっさいはなんだかピンボケ写真みたいな細部不鮮明なものでした。

いずれも翻訳が出ており、その翻訳を悪く言うつもりはないんですが、それでもこのなかではとくにStokerは一度は原文にあたってみるべき。



Marschnerの“Der Vampyr”のdisc、Neuhold盤と並べた写真も撮ったんですが、これはボツ(笑)言うまでもなく、このドイツ・ロマン主義オペラの原作がPolidoriの小説ですね。原作小説とこれに基づくオペラのdiscを並べただけのことで、あまりにも芸がない、工夫がなさすぎて「それがどーした」てなもんです(-_-;


Hoffmannさん、私も真似して写真を撮ってみたんですが・・・(((*^o^) 
(・・*どれどれ・・



おおっΣ(・o・;

ひと工夫・・・ありますかね〜(^-^A;




2009.08.01 sat



むかーし、ある女の子と出会って、それなりの成り行きに至った後、「運命の女神の導き」みたいなことを言ったら、その女の子が恥ずかしがって赤面したんですけどね・・・いや、あたしゃFortunaのことを言ってるんであって、別にアナタのことを「女神」だなんて思っていたわけではないんですよ(^^;

まあ、気まぐれで人間には計りがたい運命のシンボルですからね〜だから「女」神なのかも・・・(^_^;

Fortunaといえば、「永続性」とか「安定」とは相反するネガティヴな性格も持っているんだけどね・・・あ、じゃあ誤解されていてもまんざら的はずれじゃなかったのかな(笑)

お写真は、Fortunaといえば「カルミナ・ブラーナ」というわけですか(^o^;ちょっとベタですね〜