005 ソーゲ バレエ音楽「旅芸人」




  アンリ・ソーゲHenri Sauguetが作曲した26曲のバレエ音楽のなかでももっとも有名な作品が「旅芸人」”Les Farains”です。1945年にローラン・プティのバレエ団のために書かれた作品で、ソーゲが幼い頃から親しんでいたサーカス芸人たちをテーマにしたバレエ音楽で、「エリック・サティの思い出に」捧げられています。1945年3月2日、シャンゼリゼ劇場で初演され、大成功を収めたそうです。

 作品の構成は以下のとおり―

I プロローグ
II 旅芸人たちの入場
III 稽古
IV パレード

V 上演
a 椅子に座った少女
b 芸術の幻影
c 道化師
d シャム双生児
e 奇術師
f 奇術師と人形(パ・ド・ドゥ)
VI 最後のギャロップ
VII 旅芸人たちの集金と旅立ち



レコードは2点、CDで1点所有しています。

1  Michel Plasson Orcgestre du Capitole de Toulouse
Violon Solo:Calvin Sieb Saxophone Solo:Jacques CottenetHenri
Sauguet:”Les Farains”Ballet、”Tableaux de Paris”Suite pour Orchestre
1977年10月のstereo録音
仏Pathe Marconi(EMI) 2 c 069-16220(LP) SQエンコードされている


 LP時代から国内盤も出ていたミシェル・プラッソンによる録音。はじめてこの作品を聞いたのがこのレコードだったので愛着もあります。SQエンコードされた盤なのでやや音場混濁気味なのが残念。演奏はプラッソンらしく、上品なもの。


2  Henri Sauguet Orchestre des Concerts Lamoureux
Henri Sauguet:”Les Farains”Ballet
仏PHILIPS S 05.800R
Collection”CLASSIQUES POUR TOUS”
mono録音 10inch盤
〈minigroove 33 1/3〉表記あり


 作曲者自演による演奏です。10inch盤なので両面で「旅芸人」一曲のみ。録音年はわかりませんが、音質はmono録音として良好なもの。EQカーヴはRIAAで問題なさそうです。ときどき見かける、わりあい入手しやすい盤なんじゃないでしょうか。


3 Neeme Jaervi Estonian National Symphony Orchestra (Arvo Leibur leader)
Henri Sauguet:”Les Farains”Ballet(1945)
Jules Massenet:Ballet Suite from ”Herodisde”(1881.revised 1884)
Jacques Ibert:Les Amours de Jupiter(1945)
2018年6月1、4-5日(Sauguet)、5月31日-6月1日(Massenet)、5月30-31日(Ibert)
エストニア・コンサート・ホールにおけるstereo録音
英CHANDOS CHAN 201132(CD)


 この作品の新録音が出るとはうれしいですね。アクセントの置き方などが上記ふたつの演奏とは異なっていて興味深いところです。プラッソンの演奏が善くも悪くも上品であるのに対して、こちらはいい意味で、どことはなしに猥雑なニュアンスを感じさせるのがユニークです。



(Hoffmann)