029 ワーグナー 楽劇「ジークフリート」 ※ 所有しているdiscを録音年順に記載します。




 ”Siegfried” ※ 新規入手discとコメントは随時追記します。



Artur Bodanzky, Orchestra of the Metropolitan Opera
Flagstad, Melchior, Schorr, Thorborg, List
New York, 30 January 1937
MUSIC & ARTS CD696(CD)


 伝説的な往年の大歌手総出演のまさにドリーム・キャスト。あまり細かいことは気にせず、威勢よく歌っています。スタミナとパワーということばがふさわしい。


Herbert von Karajan, Orchester der Bayreuther Festspiele
Aldenhoff, Kuen, Bjoerling, Varnay
Bayreuth, 1951
MEL46106(CD)


 “Das Rheingold”のところで書いたとおり、この年のBayreuthにおけるKarajanによる“Ring”はこれまでのところ、正規録音としては“Die Walkuere”第三幕のみ発売され、その他全曲録音は“Das Rheingold”とこの“Siegfried”だけが出ています。

 演奏も“Das Rheingold”と同様、Karajanの若々しさと、歌手ののびのびとした歌唱が印象的です。Aldenhoffは現代の歌手と比較すれば立派なものですが、Windgassenあたりと比較すれば弱いのは否定できません。なんかね、声に妙な甘ったるい癖があるんですよね。


Wilhelm Frutwaengler, Orchestra e Coro della RAI di Roma
L.Suthaus, J.Patzak, F.Frantz, A.Pernerstorfer, J.Greindl, R.Streich, M.Klose, M.Moedl
Roma, 11/1953
MELODIYA D 035091-100(LP)

 FurtwaenglerのRAIでの”Ring”の録音が残されていることは古くから知られていて、その発売権を巡ってEMIとDGが泥沼の争奪戦を繰り広げていたのですが、その騒動のうちにoriginalの磁気tapeは消去されてしまいました。従って、その後1972年にEMIから発売されたLPは磁気tapeから転写されたワックス盤を音源としていました。ところがこのMELODIYA盤は磁気tapeからcopyされた原盤を使用したものと噂されています。一説によると、ローマ放送局とモスクワ放送局が音源を交換した際に、ローマ放送局が当時は未だ存在していたtapeのcopyをモスクワ放送局に提供したものではないかとのこと。たしかに、音質はEMIのレコードよりもかなり良質です。”Siegfried”のみであるのが残念ですね。


Fritz Stiedry, Orchestra of the Metropolitan Opera
Moedl, Windgassen, Edelmann, Boehme
New York, 16.12.1957
WALHALL WLCD 0233(CD)


 このケースのMoedl(と愛馬Grane)の写真はステキです。サインとコメントがあるようなので、どこかから借りてきた(発掘してきた?)んでしょうか。こうした歴史的録音をCD化しようというメーカーには、ケースを飾るデザインにもこのくらい気を遣って、見習ってもらいたいところですね。


Erich Leinsdorf, Orchestra of the Metropolitan Opera
Nilsson, Hopf, London, Madeira, Kuen, Herbert, Frick, Arroyo
New York, January 13, 1962
GM 5.0064(CD)


 戦前・戦中のMetropolitanで熱気と躍動感あふれるWagner演奏を展開したLeinsdolfですが、1959年にBayreuthに登場して振った“Meistersinger”はいまひとつ冴えず、しかしこの1962年Metropolitanにおける“Siegfried”ではなかなか覇気のある充実した演奏となっている・・・タマタマなのか、それともこれが相性というものなんでしょうか。


Sixten Ehrling, Royal Swedish Opera
M.Kastu, F.Kasemann, J.Arvidson, B.Asker
Stockholm, March 14.1987
STERLING CDA-1847/1949-2/(CD-R)

 2022年に発売されたCD-R。S.Ehrlingは1918年生まれで2005年没ですが、1970年代にはほぼ引退状態でジュリアード音楽院で後進の指導に当たっていたはず。亡くなったのもニューヨークです。この録音年が正しければ、故国に客演した折の記録ということになります。1987年なら69歳ですね。





(抜粋盤など)


Pietari Inkinen, Deutsche Radio Philharmonie
L.Lindstrom, S.Vinke
Congresshalle Saarbruecken, 2-7.7.2018
SWR SWR19078CD(CD)


 第三幕(短縮版)。



(Hoffmann)