036 若杉弘の演奏会とレコードから




 若杉弘をはじめて聴いたのはオペラでした。ワーグナーの歌劇「ローエングリン」がそれです。もっとも私にとってはこれがワーグナー初体験だったので、ただただ感激して観劇していただけなんですが(笑)たしか鮫島有美子がデビュー直後で、登場するなり長いドレスの裾を踏んで躓きそうになったこと、合唱団のひとりが貧血(?)か、第一幕の終わり直前でバターンと倒れてしまったことを覚えています。つまらんことばかり覚えていますな。いや、もちろん、倒れた方が無事であったことを願っていましたよ。

 ちなみに私のオペラの初体験はサヴァリッシュ指揮するモーツアルトの「魔笛」で、最初に耳に入ってきた歌声はペーター・シュライヤーのもの。初体験というものはなにかと失敗が付きものですが、これはなかなか悪くない初体験でしたね(笑)


若杉弘

 それでは、以下に、私が接した若杉弘の指揮による演奏会・オペラの公演から、とくに記憶に焼き付いているものを、覚えているうちに書いておきます。順不同ですよ。

1 ワーグナー 楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」(二期会)

 3回の公演に通った。二期会でのワーグナーはほかに「ローエングリン」、「ジークフリート」、「ワルキューレ」、「神々の黄昏」の公演にも接しました、「マイスタージンガー」が最高。予定されていた大物歌手がキャンセルして音大を卒業して間もない歌手が代役を務めたのですが、これがまた予想以上の健闘ぶり。

2 ベルク 歌劇「ヴォツェック」(二期会)

 一部歌手が弱かったのと(別に隠すこともない、大尉役の歌手だ。当然の如くカーテンコールで盛大なブーを浴びていた)、演出が良くなかったのが残念。ほぼ同時期に小澤征爾が新日本フィルと同作品を上演しましたが、小澤の後期ロマン主義アプローチに対して、若杉の方は20世紀音楽としての「ヴォツェック」となっていたように感じました。

4 ウェーバー 歌劇「魔弾の射手」(ドレスデン国立歌劇場)

 来日公演。ジークフリート・クルツと数回ずつ振り分けて、初日の切符を買っておいて行ってみたらクルツだったので、翌二日めに当日券で入場、無事若杉の指揮を聴けました。リハーサルなしにもかかわらず、オーケストラから、前日のクルツよりもはるかに覇気のある充実した演奏を引き出していました。小粒な歌手と、あまりにも簡素な舞台は残念。また、同歌劇場のシステムを知らなかった私は、初日にアガーテを歌っていた歌手が、二日めには花嫁に付き添う4人の乙女のひとりを歌っていたのでびっくりしたものです。

5 ドビュッシー 歌劇「ペレアスとメリザンド」(NHK交響楽団・演奏会形式)

 この指揮者による「ペレアスとメリザンド」を聴くことができたのはうれしいですね。ただしオーケストラは下手くそ、おまけにわざわざフランスから呼んできたペレアスの歌手が弱かったのがなんとも残念でした。

6 マーラー 交響曲第6番(NHK交響楽団)


 東京都交響楽団とのマーラー・シリーズもよかったのですが、いくら私がNHK交響楽団を嫌いでも、こちらが一枚上手だったとは認めざるを得ません。第一楽章など、若杉弘はかなり緊張していたのか、ちょっと硬かったと記憶しています。終演後、「あっという間に終わっちゃったなあ」と思っていたら、後ろの席の男性が「チカレタビー」と言っていました。そんなことばが流行っていた頃です。

7 ワーグナー 楽劇「トリスタンとイゾルデ」前奏曲と愛の死、マーラー 交響曲第5番(ケルン放送交響楽団)

 知情意の高度なバランス。このとき、オーケストラは超一流とは感じられなかったのですが・・・。

8 ブラームス 交響曲第2番(ケルン放送交響楽団)

 終楽章はこの指揮者には珍しいくらいの感情移入。たしか同オーケストラの音楽監督として最後の演奏会だったのではなかったかと思います。

9 マーラー 交響曲第9番(ケルン放送交響楽団)

 オーケストラが実力以上の熱演。じつによく鳴っていました。この演奏会は現在CDで聴くことができます。

10 R・シュトラウス 交響詩「ドン・ファン」、四つの最後の歌(E.マティス)、ブラームス 交響曲第4番(ドレスデン国立歌劇場管弦楽団)

 すばらしい演奏会でした。アンコールがR.シュトラウスの「月光の音楽」とワーグナー「マイスタージンガー」前奏曲で、TVで放映されなかった後者が白熱的な名演で忘れられません(余談ながらこのオーケストラ、どの指揮者と来日しても、たいていアンコールはこの曲なんですよね)。

 このほか、新日本フィルハーモニー管弦楽団定期での、モーツァルトの交響曲第38番、ワーグナーの楽劇「神々の黄昏」からブリュンヒルデの自己犠牲と終曲も忘れがたいところ。若杉弘は、若いころ「40代はマーラー、50代になったらブルックナー、うんと長生きして80になったらモーツァルト指揮者と呼ばれたい」といった発言をしていましたが、80歳代にならずに亡くなられたのは本当に残念です。

 さらに、東京都交響楽団とのマーラー。CDになっているサントリーホールでの演奏ではありませんが、いちおう「大地の歌」、10番(クック版)も含む全交響曲に加えて「少年の魔法の角笛」も聴いています。声楽との絡みが上手い指揮者でしたね。いつも演奏会のはじめのうちはあまり楽器が鳴っていなくて、後半に至ると充実した響きになっていました。都響とのマーラーでとりわけ印象に残っているのは、第1番、第3番と第9番。サントリー・ホール、オープニングの第8番は合唱団300人で圧倒的な演奏になっていました。終演後、外に出たら先ほどまでステージで歌っていたベルント・ヴァイクルとすれ違ったことを覚えています。できればルチア・ポップとすれ違いたかったですね(笑)

 あとは、オペラではワーグナーの「ワルキューレ」「神々の黄昏」、フンパーディンク「ヘンゼルとグレーテル」、オーケストラコンサートではバルトークの「中国の不思議な役人」など・・・メシアンのトゥーランガリーラ交響曲も記憶に残っているんですが、オンド・マルトノの音量が小さすぎてほとんど聴こえず。なお、この演奏会には、数か月後に新日本フィルハーモニー交響楽団の定期公演で同曲を指揮する予定だった井上道義が聴きに来ており、白のスーツにあのスキンヘッドですから、一瞬「ヤ○ザがメシアンを聴きに来ている」と驚いてしまいましたね(笑)

 ただ、なんでもかんでもいいわけではなくて、これは小澤征爾にも感じることですが、ちょっとリズム感がよくない。いや、どうも日本人ってリズミックなフレーズの処理が不得手みたいですね。これはRとLの発音が区別できないのと同じような欠点なのかもしれません。

 若杉弘の指揮は、要所要所できちっと区切りをつけるかと思えば、息の長い旋律を巧みに歌わせることもあり、いかにもオペラの得意な指揮者らしいといっていいでしょう。このあたり、小澤征爾の自然体のテンポ設定とは異なって、しかし音楽に内容を感じさせる要素のひとつになっているみたいです。

 従ってマーラーの交響曲などは、この指揮者がとくに得意とするレパートリーであるのもうなずけます。東京都交響楽団との演奏にしても、ケルン放送交響楽団との来日公演における交響曲第5番、第9番の演奏にしても、表情付けはじつにていねいで、音楽のあらゆる要素に神経が行き届いた名演でしたが、ただそれがために未消化な部分もあって、響きがもうひとつ洗練されていないという面があったことも否定できません。もっともこれは超一流とはいえないオーケストラの実力故かもしれません・・・が、ケルン放送交響楽団、東京都交響楽団ともに若杉弘の後、ガリー・ベルティーニが音楽監督となって、急速に技術が向上したんですよね。若杉ファンとしてはちょっとフクザツなところ・・・・。

 概してやや線が細いものの、ドイツ・ロマン派の音楽をそれらしく響かせながら、とくに木管がいいバランスで聴こえてくるあたり、オットー・クレンペラーを思い出させます。この比較は意外に思われるかもしれませんが、私はクレンペラーが一般に言われるほどドイツ的な―というのは高域弦優勢のバランスの―指揮者ではないと思っています(そうした意味でドイツ的なのはヨーゼフ・カイルベルトです)。

 若杉弘は、マーラーの歌曲集「少年の魔法の角笛」のリハーサルに、この歌曲集の歌詞に採用されたアルニムとブレンターノ編纂による同名の詩集を持って現れたそうです。音楽に限らずあらゆる芸術分野に関して該博な知識を有していたこの「東洋の哲人指揮者」にはチェリビダッケも一目置いており、それがためにミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団への毎年の客演が実現していたとのことです。

 なお、「9」のケルン放送交響楽団との来日公演、マーラーの交響曲第9番はAltusからCDが出ています(ALT201/2)。



 今回はCDは最小限にとどめ、できるだけレコードを紹介したいと思います。それでは、若き日のレコードから―

モーツアルト:レクイエム
加藤綾子、木村宏子、金谷良三、大橋国一、モーツアルト混声合唱団
読売日本交響楽団
1965年12月14日、東京カテドラル聖マリア大聖堂における追悼ミサの完全実況録音
キングLONDON SLC(J)1551~2s(LP)

ベートーヴェン:交響曲第6番「田園」
読売日本交響楽団
1969年8月16-17日、ビクター第一スタジオ
日本ビクター SJX-1025(LP)

ベルリオーズ:幻想交響曲
読売日本交響楽団
1970年2月19-20日、世田谷区民会館
日本ビクター SJX-1025(LP)

チャイコフスキー:組曲「白鳥の湖」、組曲「くるみ割り人形」
読売日本交響楽団
収録場所不明、「くるみ」1966年11月
日本ビクター SSB1010


 読売日本交響楽団を指揮してのレコーディングです。モーツアルトの「レクイエム」は2枚組で、1965年12月モーツァルト175回目の命日に東京カテドラル聖マリア大聖堂で行われた追悼ミサの実況録音です。これは、聖歌隊によるグレゴリオ聖歌の合唱や司式司祭の福音の朗読、黙祷などを間にはさんで、ミサの進行に合わせて演奏が進行するもの。残響たっぷり(すぎて)、録音には苦労したのではないでしょうか。独唱の音像がやや大きく聴こえるのは仕方がありません。

 読売日本交響楽団との録音では、映画「他人の顔」の音楽も、武満徹による映画音楽のシリーズに収録されています。



 これはモーツアルトのレコードの解説書から―お若いですね。

 その後の日本のオーケストラと録音したCDは、東京都交響楽団とのマーラー、R・シュトラウス、バルトーク、武満徹の作品集、NHK交響楽団とのブルックナーなどがあります。東京都交響楽団とのワーグナーの交響曲などは、それまで日本のオーケストラにあまり感じられなかった自発性が聴き取れるようになってきたdiscです。

 程度の低いサラリーマン集団たるN○K交響楽団に欠けているのはこれ。ついでに言ってしまうと、団員がヘーキで(得意になって?)自身のブログで来演した指揮者を批判しているのを読んだことがあります。しかも、公演前のリハーサルの段階で、「あんなこと言ってらあ」といった内容。これ、公務員だろうが民間企業の社員だろうが、絶対にやってはいかんことでしょう。陰でならなにを言おうと勝手ですが、世間に(ワールドワイドに)そんな暴言を公開する神経が理解できません。社会人として非常識。このような品性下劣で幼稚なサラリーマンがヴァイオリンをこすっているのがNH△交響楽団というオーケストラなのです。

 東京都交響楽団とのマーラーは以前、第2番だけですが取り上げているので省略。これまたついでに言ってしまうと、このオーケストラも若杉弘、ベルティーニまでが最盛期で、その後はめっきりダメになりましたね(下手になった、覇気のない演奏になった、という意味です)。助成金削減に責任転嫁する前に、自らを振り返って、少し考え直した方がいいんじゃないでしょうか。

 少し時代を下って、ケルン放送交響楽団とドレスデン国立歌劇場管弦楽団とのレコードを―

ブラームス~シェーンベルク編曲:ピアノ四重奏曲第1番(オーケストラ版)
ケルン放送交響楽団
1978.3.17
独Koch Schwann VMS2072(LP)


 上記LPには記載されていませんでしたが、Altusから出たCDで録音データが明らかになりました。それによるとlive録音だということです。

 ブラームスのピアノ四重奏曲第1番のシェーンベルクによるオーケストラ編曲版。1970年代の録音で独Koch/Schwannから出たLPです。もちろん国内盤が発売されたことはないんですが、昔から一部では有名な録音でしたね。このシェーンベルク編曲版はクレンペラーが好んでよく演奏会で取りあげていたらしいんですが、録音はこの若杉盤より以前には1点か2点しかなかったんじゃないかな。ラトル盤、ティルソン・トーマス盤はこれより後。ちなみにラトルはシェーンベルク寄り、ティルソン・トーマスはブラームス寄りといった演奏でその対照がなかなかおもしろい。若杉弘はどちらかといえばブラームスの音楽(旋律)重視のようでいて、随所で「響き」―つまりシェーンベルクによるorchestrationへの配意が感じとれるあたり、ユニークな演奏となっています。私の大好きなレコードで、いまはAltusからCDで出ています(ALT204)。

ウェーベルン:交響曲
同:軽やかな小舟に乗って逃れよ
同:眼の光
同:パッサカリア
同:管弦楽のための6つの小品
ケルン、「交響曲」「小舟」「眼の光」1977.12.16、「パッサカリア」1977.2.4、「6つの小品」1978.5.12
ケルン放送交響楽団、ケルン放送合唱団
deutsche harmonia mundi 1C 065-99-849(LP)、テイチク ULS-3333-H(LP)

ベルク:ヴァイオリン協奏曲
同:3つの管弦楽曲
ウルフ・ヘルシャー(ヴァイオリン)
ケルン放送交響楽団
「協奏曲」ケルン、1977.10.28、「管弦楽曲」ミュンヘン、1978.1.27
deutsche harmonia mundi 1C 065-99 848(LP)、テイチク KUX-3196-H(LP)


 この2枚のdeutsche harmonia mundi盤はいずれもElectrolaプレス。 同じharmonia mundiの名を冠していても、harmonia mundi Franceは優秀録音が多いのに、独はやや平面的、高域強調気味で硬質。しかしここではその「キツさ」が収録された作品にふさわしくもあります。

ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」
ケルン放送交響楽団
ケルン、1977
独WDR F666.920(LP)


 これもElectrolaプレスです。同曲はこのあとドレスデン国立歌劇場管弦楽団との録音があり、CDではザールブリュッケン放送交響楽団との1993年の録音がARTE NOVAから出ています。響きの重量感はこのケルン盤が随一。

ワーグナー:歌劇「さまよえるオランダ人」序曲
同:歌劇「タンホイザー」序曲
同:歌劇「リエンツィ」序曲
同:歌劇「ローエングリン」第一幕への前奏曲、第三幕への前奏曲
ドレスデン国立歌劇場管弦楽団
ルカ教会、1984.12.17-21.
東独ETERNA 725 037(LP)、日CBS Sony 28AC2095(LP)


ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」
ドレスデン国立歌劇場管弦楽団
ルカ教会、1985.4.6.20-24.
日CBS Sony 28AC2105(LP)

マーラー:交響曲第1番
ドレスデン国立歌劇場管弦楽団
ルカ教会、1986.8.24-29.
東独ETERNA 725 119(LP)


 ワーグナーの東独ETERNA盤はDMM盤ですが、マーラーはDMM盤との表記がありません。また、マーラーのみ、国内盤LPの発売はありませんでした。

 ドレスデン国立歌劇場は東西ドイツの壁が崩壊した直後、同歌劇場の音楽監督にも就任したものの、1年を経ずに解任されて自己profileには載せていなかったようですね。レコーディングされたのは、上記の3点。いずれもやや線が細い。「英雄」など、1977年録音のケルン放送交響楽団とくらべても、妙に軽量級です。ETERNA録音ではなく、CBS SonyとDeutsch Shallplatten共同のプロジェクトで、日本からもスタッフが派遣されており、エンジニアとしてKlaus Struebenと半田健一の名前がクレジットされています。当時、CBS Sonyの広告には、マイクを何十本立てたと、なぜか誇らしげ書かれていたので心配していたんですが(CD解説書の録音風景写真を見る限り、そんなに林立しているようでもない)、マルチマイク録音の不自然さも少なくて比較的良質なものの、響きが脱脂されたように薄味なのは録音のせいかもしれません。食べ物なら薄味でもいいんですが、音楽は多少濃いめの方がいいですね(笑)

 国内盤LPは、細部に至るまでひじょうに鮮明に聴こえて、分解能という点ではCDを上回るくらい。でも、どこかハーモニーというものを置き忘れてきたみたいな響きと聴こえ、たとえれば、シャープネスを強めにかけて不自然になってしまったデジカメ写真のような印象です。具体的には、高域を持ち上げているみたいですね。よく、初期のデジタル録音について、「デジタルくさい」なんて言いますが、国内盤2枚ではアナログLPの方がデジタル録音であることをより意識させます。このLPだと、知らずに聴いたらどこのオーケストラか言い当てるのは難しいかも・・・むしろCDの方がやわらかい響きで、このオーケストラの音色がよく分かります。ただし、音像の実在感ではLPの方が上。

 演奏は勢いや激しさで聴かせるものではなく、あくまでしなやかで美しい響きを重ねていく、といったもの。線が細いのは録音のせいばかりではなさそう。ワーグナーのレコードに収録されているのは「さまよえるオランダ人」、「タンホイザー」、「リエンツィ」の序曲と「ローエングリン」第一幕への前奏曲、第三幕への前奏曲で、これはドレスデンにゆかりのある作品を選んだということなんですが、若杉弘には「トリスタンとイゾルデ」や「パルジファル」の音楽を録音してもらいたかったところです。

 最後にもう1枚―

ZDF Festkonzert
オルフ:カルミナ・ブラーナ
 ヴォルグガング・サヴァリッシュ指揮 NHK交響楽団東京芸術大学合唱団
 ルチア・ポップ、小林一男、ヘルマン・プライ 1984.4.29
ブラームス:交響曲第1番
 若杉弘指揮 バイエルン国立歌劇場管弦楽団 1984.5.13
66.28291(LP)


 独Teldecプレスのようです。2LPで1枚目がサヴァリッシュ、2枚目が若杉弘。ZDFは”Zweites Deutsches Fernsehen”、第2ドイツテレビジョン協会ですね。わりあい中古レコード店で見かけることのあるレコードです。

 ちなみに、NHK交響楽団とのブルックナー交響曲全集もLPで出たので入手しました。CDではBMGから3番と7番だけ出て頓挫したシリーズですが、全集録音が出たうえ、LPでも発売されたのはたいへん喜ばしいことです。個人的には、同オーケストラは大嫌いですが、ま、そこはそれ、ということで(笑)


若杉弘 「10」の演奏会の時の映像から―

 ここまでに取り上げたレコードの録音は、その多くが現在はCDで入手できるはずですが、一部を除いて記載していません。興味のある方は、検索すれば容易に見つかると思われます。


 レコード(LP)を再生した装置について書いておきます。
 国内盤はSHELTER MODEL501 Classicを使い、海外盤にはortofonの各種カートリッジを使用、スピーカーはTANNOYのMonitor Gold10"入りCornettaまたはHarbethのHL MonitorMkIIIで聴きました。
 今回取り上げたレコードに関しては、EQカーヴはすべてRIAAで問題ないと感じました。



(Hoffmann)