077 10inch盤を聴く その5




 10inch盤、今回は声楽曲です。

ショーソン:愛と海の詩
イルマ・コラッシ(メゾ・ソプラノ)
ルイ・ド・フロマン指揮 ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
DECCA LX3150

1 ラヴェル:5つのギリシャ民謡
2 ラヴェル:マダガスカル先住民の歌
イルマ・コラッシ(メゾ・ソプラノ)
ジョフリー・ギルバート(フルート)、 ウィリアム・プリース(チェロ)、 アンドレ・コラール(ピアノ)以上「ギリシア」
ジャクリーヌ・ボノー(ピアノ)以上「マダガスカル」
DECCA LW5246


 EQカーヴはDECCAffrr。

 イルマ・コラッシ Irma Kolassi は1918年生まれ、ラヴェルや「六人組」と交友がありましたが、とりわけショーソンのレコードは有名なものですね。ちなみにHMVのサイトを見ていたら、「1927年にパリで没しています」なんて書いてありましたが、ンなわけない。それでは9歳で死んだことになっちゃう。亡くなったのは2012年です。

 


(参考)

1 ラヴェル:5つのギリシャ民謡
2 ラヴェル:マダガスカル先住民の歌
3 ドビュッシー:艶なる宴より(2曲)
4 ドビュッシー:ビリティスの歌
イルマ・コラッシ(メゾ・ソプラノ)
ジョフリー・ギルバート(フルート)、 ウィリアム・プリース(チェロ)、 アンドレ・コラール(ピアノ)(1)
ジャクリーヌ・ボノー(ピアノ)(2)
アンドレ・コラール(ピアノ)(3,4)
DECCA 417 559-1(LP)


 こちらは再発盤の12inch(30cm)LP。ラヴェルとドビュッシーの組み合わせです。


ジョゼフ・カントルーブ:オーヴェルニュの歌
 糸紡ぎ歌
 バイレロ(羊飼いの女)
 3つのブーレ(噴水、何処へ行く?,リムザンへ)
 子守唄
 アントワーヌ
 2つのブーレ(恋人を持ったことがない、うずら)
 草原を通って
 ブーレ(女房のある奴は不幸)
マドレーヌ・グレイ(ソプラノ)
エリー・コーエン指揮 管弦楽伴奏
仏Columbia(EMI) FCX50.038


 EQカーヴはColumbia。

 マドレーヌ・グレイ Madeleine Grey は1896年生まれのフランスの歌手。一般的にはソプラノ歌手とされていますが、声域が広くてメゾソプラノ歌手のための作品にもレパートリーとしているものがありました。とりわけフォーレとラヴェルに高く評価され、フォーレでは連作歌曲集「幻影」”Mirages"を初演(1919年12月)、ラヴェルからは1920年に管弦楽伴奏版の「2つのヘブライの唄"Deux melodies hebraiques"、1926年の「マダガスカル島民の唄」"Chansons madecasses"の初演に抜擢されています。ジョゼフ・カントルーブからは歌曲集「オーヴェルニュの歌」を献呈され、1926年に初演。上記は抜粋ながら、同曲の最初の録音です。

 「オーヴェルニュの歌」といえば、私もご多分に漏れず、ネタニア・ダヴラツのVanguard盤、ヴィクトリア・デ・ロス・アンヘレスのEMI盤、それにもうひとつ、フレデリカ・フォン・シュターデのCBS盤を所有していますが、やはり取り出すのは抜粋でもマドレーヌ・グレイ盤がもっとも頻度高く、次はネタニア・ダヴラツ盤ですね。テクニックに傾いたり、効果を狙ったりすると、とたんにあざとい下品な歌唱と聴こえてしまう、結構コワイ歌曲です。



(参考)

1 ジョゼフ・カントルーブ:オーヴェルニュの歌
 糸紡ぎ歌
 バイレロ(羊飼いの女)
 3つのブーレ(噴水、何処へ行く?、リムザンへ)
 子守唄
 アントワーヌ
 2つのブーレ(恋人を持ったことがない、うずら)
 草原を通って
 ブーレ(女房のある奴は不幸)
2 ラヴェル:3つのヘブライの歌(カディッシュ、メエルケ、永遠のなぞ)
3 ラヴェル:マダガスカル島民の歌(ナアンドーヴ、おーい!、休息)
マドレーヌ・グレイ(ソプラノ)
エリー・コーエン指揮 管弦楽伴奏(1)
モーリス・ラヴェル(ピアノ)(2)
モーリス・ラヴェル指揮 アンサンブル伴奏(3)
仏Columbia FC1064(LP)、東芝 GR-2154(LP)



 これは再発盤の12inch(30cm)LP。まあ、再発盤と言っても、元々がSP音源なので、10inch盤だって再発盤なんですけどね。「オーヴェルニュの歌」は10inch盤と同内容。ラヴェルは1932年の録音。ただしピアノ、指揮が作曲者の自演というのは、おそらく作曲者立ち会いの下で、ピアニストや指揮者の誰かが受け持っているんじゃないでしょうか(当時は普通に行われていたことです)。


(Hoffmann)