Lohengrin





Artur Bodanzky, Orchestra and Chorus of the Metropolitan Opera
Melchior, Lehmann, List, Schorr, Lawrence, Huehn
New York, 21.12.1935
MEL37049(CD), MYTO 00214(CD)



Fritz Busch, Teatro Colon Chorus and Orchestra
Maison, Hoerner, Lawrence, Destal, Kipnis, Krenn
Buenos Aires, 17.09.1936
Archipal ARPCD 0182-3(CD)

合唱はスペイン語?



Maurice DeAbravanel, Orchestra and Chorus of the Metropolitan Opera
Flagstad, Maison, Branzell, Huehn, Hofmann, Gabor
New York, March 27, 1937
WHL6(CD)

Abravanelはギリシア出身のユダヤ系スイス人(ややこしい)。Kurt Weilに師事。戦中パリに亡命後、オーストラリアへ、ここで「ヨーロッパの大指揮者」として歓迎されるんですが、なんと当時(まだ)31歳。1936年にニューヨークへ渡ってMetropolitanでドイツ、フランスのオペラを指揮したひとです。



Erich Leinsdorf, Orchestra and Chorus of the Metropolitan Opera
Rethberg, Melchior, Thorborg, Huehn, List, Warren
New York, January 27. 1940
JGCD 0007-3(CD)



Robert Heger, Staatskapelle Berlin
Hofmann, Voelker, Mueller, Prohaska, Klose, Grossmann
Berlin, 1942
PREISER 90043(CD)

HegerはHoffmannの好きな指揮者です。戦前・戦中から活躍しているドイツの指揮者の主流とも言える、あまりテンポを動かさず様式と楽曲の構築性を重視したタイプで、その演奏は地味ながら、このひとの場合はオーケストラの音色がとりわけ魅力的に響くんですね。それはこのような古い録音でも確認できます。歌手も充実しています。



Erich Leinsdorf, Orchestra and Chorus of the Metropolitan Opera
Varnay, Melchior, Thorborg, Sved, Cordon, Harrell
New York, 2.1.1943
MYTO 3MCD924.66(CD)



Fritz Busch, Orchestra and Chorus of the Metropolitan Opera
Melchior, Traubel, Hawkins, Ernster
New York, 1947
CETRA LO24(LP)

録音劣悪。せっかくの豪華歌手陣ですが、これではいくら想像をたくましくしても・・・。



Fritz Stiedry, Orchestra and Chorus of the Metropolitan Opera
Melchior, Traubel, Varnay, Janssen
New York, 07.01.1950
ARPCD0152-3(CD)

支配人と衝突したMelchiorのMetropolitan最後の公演だそうです。



Rudolf Kempe, Chor und Orchester der Bayerischen Staatsoper Muenchen
Boehme, Vincent, Schech, Boehm, Klose
Muenchen, 1951
URANIA URN 22.200(CD), ACANTA 44 2133-2(CD)



Richard Kraus, Sinfonie Orchester und Chor des WDR Koeln
Greindl, Anders, Eipperle, Kronenberg, Braun
Koeln, 15.11.1951
MOVIMENT MUSICA 04.003(LP)

R.Krausは1902年生まれ、Wagner歌手であったErnst Krausの息子で、戦前から戦後まで、ドイツ各地の歌劇場で活躍したひと。もっともこの函からすると、ローエングリンを歌っているPeter Andersに焦点を合わせたLP化であったようですね。



Eugen Jochum, Chor und Symphonie-Orchester des Bayerischen Rundfunks
von Rohr, Fehenberger, Kupper, Franz, Braun
Muenchen, 15. bis 22.Dezember 1952
PREISER 90603(CD)



Fritz Stiedry, Orchestra and Chorus of the Metropolitan Opera
Sullivan, Steber, Bjoerling, Harshaw, Ernster
New York, April 11,1953
Gala GL100.640(CD)



Joseph Keilberth, Chor und Orchester der Bayreuther Festspiele
Windgassen, Steber, Varnay, Uhde
Bayreuth, 1953
RS65003(LP)

これはDECCAによる正規録音です。



Wilhelm Schuechter, Male Chorus of the Nordwestdeutschen Rundfunks, Cologne
Frick, Schock, Cunitz, Metternich, Klose, Guenter
1953
LHMV800(LP)

Schuechterは1911年生まれのドイツの指揮者、1940年にはアーヘンの歌劇場を去るKarajanに、後継者に指名されたひと。1959〜60年にはNHK交響楽団の芸術監督を務め、日本のオールドファンには馴染みのある名前でしょう。

どうにも主役級の歌手が冴えなくて魅力に乏しいdiscです。




Eugen Jochum, Chor und Orchester der Bayreuther Festspiele
Windgassen, Nilsson, Adam, Uhde, Varnay, F-Dieskau
Bayreuth, 1954
GM1.0031(CD)

1950年代の、Bayreuthにおける歌手の世代交代の兆しをみることができるキャスティング。いまにして思えば、数あるBayreuthの記録のなかでも、歌手陣の顔ぶれはとりわけて豪華なんですが・・・。

歌手はVarnayがとくにすぐれていますね。ほかはみんな若々しくて、Nilssonが意外とエルザ向きの声かも・・・Windgassenは人間くさくて、もう少し聖性というか、神秘性が感じられたらと思います。ところがこのCD、めったに取り出して聴くこともない、全体に魅力に乏しいんですね。E.Jochumの指揮が・・・悪いところなんかないんですが、どうも華がない。

Bayreuthの“Lohengrin”の記録といえば、KeilberthやらCluytensといった、かなり個性豊かな指揮者が目白押しですからね

Die Toteninselさんから「寸感」をいただきました。ありがとうございます!

 1953年のヴォルフガングの演出による「ローエングリン」で、ニルソンは確かこの年がバイロイト初出演でした。ニルソンの歌唱は、高音域の安定度や発声の正確さは流石ですが、後年の彼女に較べると声質がやや無機的で細やかなニュアンスに欠けるきらいがあります。ヴィントガッセンのローエングリンは、第3幕の「遙かな国へ」の歌い出しが不安定になる点を除けば、悪くないと思います。アダムのハインリヒは、安定した歌いぶりですが、彼らしい強烈な個性を表出するにはまだ到っていません。ウーデの見事な悪役ぶり、フィッシャー=ディースカウの朗々たる軍令使は高水準の出来栄えですが、とりわけ素晴らしいのはヴァルナイのオルトルートで、まったく間然する所のない名唱。完成度では8年後のザヴァーリッシュ盤よりもさらに上を行く、彼女の絶頂期の記録です。
 ヨッフムの指揮は、楽曲の構成の要所要所を押さえた手堅さは評価出来ますが、全体としては可もなく不可もなしといったところ。
 (ちなみに私が所持しているCDのレーベル面にはカイルベルト指揮と書かれています。)



Andre Cluytens, Chor und Orchester der Bayreuther Festspiele
Konya, Rysanek, Engen, Blanc, Varnay, Waechter
Bayreuth, 1958
MYTO 3MCD890.02(CD), GM1.0076(CD)


Lovro von Matacici, Chor und Orchester der Bayreuther Festspiele
Konya, Gruemmer, Crass, Blanc, Gorr, Waechter
Bayreuth, 1959
GM1.0002(CD), ORFEO C 691 063 D(CD)

Mataciciといえば、晩年NHK交響楽団にもたびたび客演した指揮者ですね。同オーケストラとのLive録音はいくつかCD化されていて、一部のファンからは途方もない賛辞が寄せられているようですが、Hoffmannにはあんな覇気のない(中略・自粛)。日本人って、老人の演奏家に対してはほとんど無条件に賞賛を惜しまないんですね・・・いや、無条件じゃないや、その演奏家の取りあげる作品がドイツ音楽である場合に限られます。つまりは「巨匠」による「ドイツ音楽」という「ブランド」に弱いんですね(苦笑)Beethovenの交響曲でしたか、後にNHK交響楽団の団員が、あのときの演奏には自分たちもびっくりした、といった内容の発言をしていましたが、あんな演奏で自画自賛とは呆(中略)所詮イカサマ・捏造放送局のオケなんぞ(以下自粛)。



Thomas Schippers, Orchestra and Chorus of the Metropolitan Opera
Della casa, Sullovan, Harshaw, Cassel, Edelmann, Sereni
New York, 31,1,1959
WLCD 0263(CD)



Lorin Maazel, Chor und Orchester der Bayreuther Festspiele
Windgassen, Nordmo-Loevberg, Adam, Neidlinger, Varnay
Bayreuth, 1960
MEL601(LP), GM1.0072(CD)

Maazelが30歳でBayreuthに登場した年の録音。

リハーサルに際して、MaazelがBayreuthのオーケストラを前に「こんなにすばらしいオーケストラを振ることができてうれしい、お世辞ではなくてほんとうにそう思ってます」と言っている映像が残されているんですが、いや、そんな挨拶をしたからといって、若き日既に徹底されていた音楽造りはここでも変わりません。これだけ細部に至るまで細かい表情付けをしている演奏もめずらしいんじゃないでしょうか。リハーサルではかなり注文を付けたか・・・もっともバトンテクニックに秀でたひとなので、棒だけで表情を付けてしまうのでしょうか。ただ、そのあまりにちょっと神経質な音楽になってしまうという、後のMaazelの特徴が、ここでも感じられます。基本的に流麗といった印象ですが、個人的にはKarajanなどより余程納得できる演奏だと思います。歌手はとくにNordmo-Loevberg、Neidlinger、Varnayがいいですね。




Wolfgang Sawallisch, Chor und Orchester der Bayreuther Festspiele
Crass, Thomas, Silja, Vinay, Varnay
Bayreuyth, 1962
PHILIPS SFX9585~88(LP)

PHILIPSによる正規録音です。録音は高域上がりのバランスで、音質に関しては同じ1962年のSawallisch、BayreuthのPHILIPS正規録音である“Tannhaeuser”の方がいいですね。歌手は主役級を若手が熱演して脇をベテランが固めており、穴のない、高レベルの出来です。

J.ThomasもA.Siljaも若々しさで聴かせますね

かつてのヘルデンテナーであるR.Vinayがテルラムント役のバリトンで出演しているんだけど、このひと、むしろこちらの方が・・・(^^;



Rudolf Kempe, Vinna Philharmonic Orchestra, Vinna State Opera Chorus
Thomas, Gruemmer, F-Dieskau, Ludwig, Frick, Wiener
Wien, 1962~63
EMI SLS5071(LP), EAC77186~90(LP)

R.Kempeは1950年代から’60年代はじめの頃が最盛期だったのではないでしょうか。

live録音のような熱気は感じられないんですが、オーケストラはたいへん美しい。指揮がちょっとあっさりした感じなのは、フレージングであまり粘らず、大見得を切ったりしないからでしょう。だから、ややもすると旋律の終わりのところが素っ気なく聴こえるときがあるんですが、これが清潔感というか、上品な印象につながっているんじゃないでしょうか。


そういった演奏って、オーケストラが一流でないと生きてこないのではありませんか?

なるほどね、Kempeもこの時代、ウィーン・フィルやベルリン・フォルとElectorolaに録音していた頃がいちばんいいのは、そのへんに理由があるのかもしれない。
歌手も総じてすばらしく、なかでもC.Ludwigのオルトルートは最高だよね



Joseph Rosenstock, Orchestra and Chorus of the Metropolitan Opera
S,Konya, R.Crespin, W.Cassel, N.Rankin, E.Wiemann, W.Stanz
New York, 1 February 1964
Gala GL100.656

このdiscはかなり以前からshopの店頭で見かけていたものの、なかなか手を出さなかったんですね。というのは、ケーズ裏面に、1964年の上記録音のほか、1967年のBoehm、Metropolitan、1968年の同じくBoehm、Metropolitanなどのdataが印刷されていて、てっきりKonyaが主演した“Lohengrin”のハイライト集だと思っていたから。ところがこれ、Rosenstockによる1964年の全曲録音のほかに、Boehmによる公演の一部が収録されているものでした。



Erich Leinsdorf, Boston Symphony Orchestra, Boston Chorus Pro Musica
Hines, Konya, Amara, Dooley, Gorr
Boston, 23~28.8.1965
PVL5-9046(LP), BMG 74321 50164 2(CD)

めったに話題になることもないdiscです。ボストン交響楽団のオペラ全曲録音というのはめずらしいですね。Leinsdorfといえば戦前の一時期には、若くしてメトロポリタン歌劇場でのWagner上演を任されたほどの指揮者です。当時の実況録音は現在では様々なレーベルでCD化されていますが、どれも気迫のこもった「熱い」演奏です。この指揮者のその後の歩みを見ると、オペラからはすっかり退いてしまって、オーケストラのトレーナーとしては超一流ながら、その音楽は効果造りを廃した中庸を行くタイプとなって、よく言えば通好み、悪く言えばあまりスリリングな演奏をするタイプではなくなってしまったんですね。

Hoffmannさんはこの指揮者の実演をお聴きになったことがあるんですよね

うん。熱狂的な演奏じゃないし、コーフンするようなこともなかったけれど、とにかくうまいもんだなあと思ったよ。それと、耳がいいんだろうね。プログラムの最初が交響曲だったとき、第1楽章が終わったら、オーケストラになにか言って、チューニングをやり直させていた・・・それでもまだ納得しないで、チェロのトップ奏者の楽器を後列の奏者の楽器と交換させていたのをおぼえているよ。また一度は・・・プログラムが凝ってるの(笑)ヴェーベルンの「パッサカリア」、モーツァルトの交響曲第41番、ブラームスの交響曲第4番・・・と(^o^*

ははあ・・・モーツァルトとブラームスはいずれも終楽章が・・・(^o^;

ここでの演奏も、若き日の情熱的なスタイルとは一線を画するものです。しかしながらドラマティックな表現にも不足はなく、なによりオペラ慣れしていないはずのボストン交響楽団がみごとなWagner演奏を聴かせてくれるのは、これは指揮者のすぐれたリード故でしょう。歌手はKonya、Gorr、Hinesあたりの一流どころがまずまずの出来。ただ、個人的にはR.Gorrって・・・(笑)


「うまいんだかへたなんだかわからない」・・・ですよね(((*^o^)σ)~0~)/プニッ♪



Karl Boehm, Chor und Orchester der Wiener Staatsoper
Watson, Thomas, Talvela, Ludwig, Berry, Waechter
Wien, 16.5.1965
GM1.0045(CD)



Rudolf Kempe, Chor und Orchester der Bayreuther Festspiele
Konya, Harper, Ridderbusch, McIntyre, Hoffman, Tipton
Bayreuth, 1967
GM1.0035(CD)

Kempeの、こちらはBayreuth実況録音。この年のLohengrinはもともとKonyaが全公演を歌う予定だったところ、病気のため初日しか歌えず、Konyaのほか、King、Cox、Esser、Thomasの計5人が交代で歌ったそうです。

1967年といえば、前年10月にWielandが死去してBayreuthがWolfgangひとりの手に委ねられた年であり、また4月には我が国の大阪国際フェスティヴァルに引っ越し公演を行った年でもありますね。




Rudolf Kempe, Chor und Orchester der Bayreuther Festspiele
King, Harper, Ridderbusch, McIntyre, Hoffman, Tipton
Bayreuth, 30.Juli 1967
ORFEO C 850 113D(CD)

上記と同年のlive録音。ORFEO正規盤でstereo。こちらはKingが歌っています。



Alberto Erede, Chor und Orchester der Bayreuther Festspiele
King, Harper, Ridderbusch, McIntyre, Dvorakova, Stewart
Bayreuth, 26.7. 1968
GM1.0063(CD)

A.Eredeは1908年生まれのイタリアの指揮者。ライン・ドイツ・オペラの総監督も務めたことがあるのでイタリアもの専門というわけではないのでしょうけれど・・・。

いやはや、指揮者によって音楽はこうも変わるものなんですね・・・歌い回しがイタリア・オペラです。Bayreuth常連の歌手たちも、ちゃんとドイツ語で歌っているのにイタリアもののように聴こえる(^^;はっきり言って、これ、発売しなくてもよかったんじゃ・・・。




Hans Swarowsky, Chor der Wiener Staatsoper, Grosses Symphonieorchester
von Rohr, Schachtschneider, Kirschstein, Imdahl, Hesse
1968
WELTBILD CLASSICS 703835(CD)

SwarowskyはAbbadoやMehtaなどの指揮者を育てた教育者として名高いひとですね。

明快といえば聞こえはいいのですが、オーケストラにも歌手にもこれといって特徴のない演奏です。とくにオーケストラが弱く、ソロには表情らしい表情がないんですね。正直なところ、全曲聴き通すのが苦痛です(-_-;




Rafael Kubelik, Chor und Symphonie-Orchester der Bayerischen Rundfunks
King, Janowitz, Stewart, Jones
Muenchen, 1971
DG 2713 005(LP)

スタジオ録音としては、Kempe盤とともにオーケストラの響きの美しいことにかけては代表格。

ちょっとstaticな印象も・・・KubelikのLive録音があったら、ぜひ聴いてみたいですね



Theodor Gschlbauer, Orcheatre Symphonique du Rhin-Muelhouse, Choeur de l'Opera du Rhin
Siukola, Brunner, Wlaschihia, Denize, Kang, Le Hemonet
Muelhouse, October 26, 1985
Gala GL100.623(CD)

高域上がりのバランスでキンキンと刺激的、聴いていて疲れます。指揮は冴えない。



Herbert von Karajan, Berlin Philharmoniker
Kollo, Tomoea-Sintow, Ridderbusch, Vejzovic
1975,1976,1981
EAC87022~26(LP)

もともとザルツブルク音楽祭での上演前に録音が計画されたんですが、KarajanとKolloの意見が対立して中断してしまったもの。Kolloは1976年の公演では初日だけ歌って役を下りてしまいました。その後和解して、1981年に残りの部分を録音して完成。KolloはKarajanともめた直後の記者会見で「現在ローエングリンを歌える歌手は5人あまりに過ぎないが、これを指揮する者は5,000人いる」とほざいた言ったとか・・・。

いずれにせよ、少なくともこのレコードでは、KarajanもKolloもたいしたことはありません。Karajanらしく、しまりなく流れ出るオーケストラの響きが印象的(なんとかならんかね)。録音も、国内プレスであることを割り引いても、歪みっぽいうえにかなり高域強調気味でキンキンしてます。ラジカセ向きの音造り?



Woldemar Nelsson, Chor und Orchester der Bayreuther Festspiele
Goetz Friedrich
Bayreuth, 1982
PHILIPS CDV506~8(LD), DREAMLIFE DLVC 1173(DVD)

G.Friedrichの演出が評判になった上演。初年度はEdo de Waartが指揮しており、FM放送で聴いた記憶があるんですが、たいへん美しい演奏でした。ところが1年だけで降りてしまって指揮者は交代・・・。なお、このDVDの画質は良くありません。

舞台も美しく、ローエングリン役のP.Hofmannも容姿・声ともに役柄によく似合っており、この世のものならぬ聖性が感じられます。歌そのものは必ずしも・・・なんですが、女性ファンが多いのも納得。やっぱりオトコは顔よねっ!(笑)容姿といえば、エルザ役のK.Armstrongも演技と容姿で起用されたものでしょう(G.Friedrichの夫人でもありますが)。ただ、演技と容姿は一応(笑)褒めておきますけれど、歌はまるでダメ―このひとホントに歌手なのかと言いたいくらい、問題外の外、いくらなんでもひどすぎる。史上最低のエルザ。音だけ聴く限り、この歌手がひとりでこの公演を台無しにしてしまっています。悪役二人組のL.RoarとE.Connelも音だけ聴くとちょっと線が細い。でも映像付きだと気にならないんですね。Nelssonの指揮によるオーケストラの響きは太めの線で堂々としているんですが、響きに芯がない、終始ユルフンといった印象(笑)もうちょっと手綱を引き締めて欲しいところです。


Peter Schneider, Chor und Orchester der Bayreuther Festspiele
Schenk, Frey, Studer, Wlaschiha, Schnaut
Bayreuth, 6.26.~7.1. 1990
PHILIPS PHCP5056~9(CD), Universal 00440 073 4404(DVD)

映画監督Werner Herzogの演出による公演の録音。かつてLDも出ていましたね。DVD発売を希望。

とにかく歌手が小粒で・・・よく言えばリリックな声質のひとを集めたのだと思いますが・・・数々の名演の記録(disc)に混じっては、これといってアピールするものがありません。良くも悪くも現代的なWagner演奏、スケールも小さすぎるんじゃないでしょうか。

(追記)
2008年、DVDが出ました。LDは売り飛ばしてしまったのでひさしぶりに観たんですが、カスパル・ダヴィッド・フリードリヒの絵を思わせるような舞台はなかなか美しい。とはいえ、このHerzog演出は大成功とは言えませんね。タイトルロールのP.Frey、いまにして思えばこのあたりがリリックなローエングリンの先駆け?



Claudio Abbado, Wiener Philharmoniker
Moll, K., Jerusalem, S., Studer, C., Welker, H., Meier, W., Schmidt, A., Nikolov, B., Kasemann, F., Otelli, C.
Wien, 11.1991, 5.6.1992
Deutsche Grammophon: 437 808-2 (3CD)


Die Toteninselさんから「寸感」をいただきました。ありがとうございます!

 室内楽的で透明感のあるオーケストラ、柔軟性に富んだ軽やかなコーラス、切れ味の鋭いリズムと快適なテンポ、叙情性と劇的緊張を兼ね備えたその躍動的な音楽は、クリュイタンスやブレーズのヴァーグナー演奏の系譜に繋がる地中海的な感覚と明晰さとを感じさせます。重量感を極力排しながら、極度の集中力をもって演奏するアバドの指揮の下、女性歌手たちがよく健闘していて、とりわけドラマティックな力感と濃やかな表現力をそなえたマイヤーのオルトルートが素晴らしい。エルザを演ずるスチューダーの澄明でみずみずしい歌唱も特筆に価します。それに較べて男声陣は少し頼りない。鼻に掛かった、暗く元気のない歌いっぷりのイェルザレムのローエングリン(シェルデ河畔まで嫌々やって来たみたいだ)、流し気味の歌唱でやや品格に欠けるモルのハインリヒ、なんとも小悪人的で存在感のないヴェルカーのテルラムントなど、総じて弱体といえます。アバドの指揮と女声陣が素晴らしいだけに、残念なことです。




Sir Colin Davis, Chor und Symphonie-orchester des Bayerischen Rundfunks
Rootering, J.-H., Heppner, B., Sweet, S., Leiferkus, S., Marton, E., Terfel B.
Muenchen, 5.14.~28.1994
RCA: 09026-62646-2 (3CD)


Die Toteninselさんから「寸感」をいただきました。ありがとうございます!

 コリン・デイヴィスの指揮は、ずいぶん自由というか、相当恣意的な解釈に傾いているようです。まず、作曲者のダイナミックスの指示が等閑に付され、緩急・強弱の振幅が必要以上に大きく取られていることが耳につきます。また、旋律の終わりでフェルマータをかけたように長く尾を引いて演奏させる傾向があり、全体に楽譜の指示よりも確実に1拍は伸びています。しかしそうした小細工によってスケールはむしろ小さくなり、旋律はブツ切れ、テンポは不自然で、聴き取れないほどの最弱音には緊張感が希薄で、唐突な強奏にも必然性が感じられず、ヴァーグナー特有の息の長い旋律の魅力が充分に生かされているとは言えません。

 歌手でいちばん出来が良いのは、軍令使のブリン・ターフェルで、声の迫力と表現力で他を圧しています。ベン・ヘップナーのローエングリンは、この役に不可欠な聖性と力強さにいささか欠けるところがありますが、声楽的には安定しています。エルザのシャロン・スウィートは、力みがちな発声により可憐さと品位が乏しくなりがちであり、ハインリヒ王のヤン・ヘンデリック・ローターリンクは、指揮者の指示によるのか、役作りのつもりなのか、それとも声をひけらかしているのか、いたるところで妙に旋律を引きのばして大見得を切っているのが残念です。
 テルラムントのセルゲイ・レイフェルクスも適役とは言えません。レイフェルクスはロシア物で知的な悪役をさせれば右に出る者がないほどの存在ですが、もともとかなり灰汁の強い語り口であることに加え、ドイツ語の発音がかなり不自然なこともあって、発語の異様さばかりが目立ち、彼の役作りが十全に生かされる結果とはならなかったようです。
 オルトルートのエヴァ・マルトンは、ブリュンヒルデよりは役柄に合っていて、テルラムントを言葉巧みに唆す場面ではなかなか聴かせますが、声を張り上げる箇所ではやはり荒っぽさが気になります。
 合唱は相変わらず立派で聴き応えがあります。




Daniel Barenboim, Chor der Deutschen Staatsoper Berlin, Staatskapelle Berlin
Seiffert, Magee, Polaski, Struckmann, Pape, Trekel
Berlin, 1998?
Teldec 3984-21484-2(CD)


BarenboimによるWagner作品の録音のなかでは比較的「まし」な演奏、意外にもダルな印象はなく、推進力を感じさせます。弦楽器、とくに低い方がノリのいい演奏をしているみたいです。

なんともリリックな声のSeiffert、英雄的というよりも正義感あふれるフツーの若者。もはや(本来?)ローエングリン役はヘルデン・テノールのものではない? 



Kent Nagano, Deutsches Symphonie-Orchester Berlin, Chorus of the Opera national Lyon
Nikolaus Lehnhoff, Vogt, Kringelborn, Koenig, Meier, Fox
Baden-Baden, 2006
OPUS ARTE OA0964D (DVD)




Sebastian Weigle, Orquestra Simfonica del Gran Teatre del Liceu, Cor del Gran Teatre del Liceu
P.Konwitschny, R.Hagen, J.Treleaven, E.Magee, H-J.Ketelsen, L.DeVol, R.Bork
Barcelona, 24 &27 July 2006
Euro Arts 2056008(DVD)




Jaap van Zweden, Radio Filharmonisch Orkest Groot Omroepkoor
K.F.Vogt, A.Schwanewilms, E.W.Schulte, M.Cornetti, R.Johansen
Amsterdam, 2 februari 2008
Quattro Live(CD)


演奏会形式のlive録音。DVD付き。一発勝負故の些細な瑕よりも、緊張感が長所として上回る熱演。見事な充実ぶり。



Semyon Bychkov, Prague Chamber Choir, NDR Choir, WDR Radio Choir, WDR Symphony Orchestra Cologne
K.Youn, J.Botha, A.Pieczonka, F.Struckmann, P.Lang, E.W.Schulte
Koeln, 30.05.-14.06.2008
Profil PH09004(SACD)




Kent Nagano, Bayreisches Staatorchester
Richrd Jones, Kaufmann, Harteros, Koch, Schuster, Fischesser, Nikitin
munich, July 2009
Universal 074 3387(DVD)




Andris Nelsons, Chor und Orchester der Bayreuther Festspiele
Hans Neuenfels, Vogt, Dasch, Rasilainen, Lang, Youn
Bayreuth, 14.8.2011
OPUS ARTE OA BD7103 D(BD)


もう、勝手にしてくれ(笑)



Marek Janowski, Rundfunk-Sinfonieorchester Berlin, Rundfunkchor Berlin
Vogt, Dasch, Groissboeck, Grochowski, Resmark, Brueck
Berkin, November 12, 2011
PentaTone PTC 5186 403(SACD)