Die Walkuere





Artur Bodanzky, Orchestra of the Metropolitan Opera
Flagstad, Althouse, List, Melchior, Lawrence
New York, February 2, 1936(ACT1 & Excerpts ACT2), December 18, 1937(ACT2 &3)
WHL21(CD)

戦前のMetropolitanならでは、伝説の大歌手が居並ぶ垂涎のドリームキャストですね。



Erich Leinsdorf, Orchestra of the Metropolitan Opera
Lehmann, Lawrence, Melchior, Schorr
New York, March 30, 1940
WHL1(CD)

これまたMetropolitan黄金時代を象徴するような、垂涎のドリームキャストですね。

また同じことおっしゃてますよ〜(^o^;




Erich Kleiber, Teatro Colon, Buenos Aires
Lawrence, Jessner, Stevens, Maison, List, Janssen
Buenos Aires, August, 1940
Gebhardt JGCD0028-3(CD)


Erich Leinsdorf, Orchestra of the Metropolitan Opera
Melchior, Varnay, Schorr, Kipnis, Traubel, Thorborg
New York, 6.12.1941
MYTO 3MCD913.41(CD)

Metropolitanの豪華歌手陣に、ここでジークリンデ役にA.Varnayが登場。ケースに“A.Varnay's stage Debut”と印刷されていますね。

Leinsdorfらしく、豊かな表情と速めのテンポでぐいぐい押していく、音楽に推進力を感じさせる演奏です。A.Varnayはやや緊張気味ですが、大器の予感充分・・・とは後の充実ぶりを知っているから?(^o^*そのほか、とにかく現代の歌手とは桁外れの大歌手たちの「芸」が愉しめる歴史的記録。まったくすばらしい!


もとはラジオ放送でしょうか、冒頭にアナウンサーの声が入っていますね


# 写真右は解説書から。“A.Varnay's graduation”




George Szell, Orchestra of the Metropolitan Opera
Melchior, Bampton, Traubel, Janssen, Thorborg, Kipnis
New York, 2.12. 1944
MYTO 3MCD953.133(CD)

これまた・・・(以下同・笑)


Paul Breisach, Orchestra of the Metropolitan Opera
Traubel, Melchior, Varnay, Berglund, Thorborg, List
New York, 30.03.1946
ARPCD0069-3(CD)



Fritz Stiedry, Orchestra of the Metropolitan Opera
Bampton, Lorenz, Vichegonov, Traubel, Berglund, Thorborg
New York, 26.01.1949
ARCHIPEL ARPCD 0151-3(CD)



Ferenc Fricsay, Orchester der Staedtischen Oper Berlin
Suthaus, Mueller, Buchner, Herrmann, Klose, Greindl
Berlin, 10.6.1951
MYTO 3MCD933.81(CD)

第一幕の冒頭は速めのテンポで勢いがいいのに、だんだん遅めになって、あとはずっとそのまま・・・。ところどころ伸縮するものの、恣意的というか気儘なテンポ変動と聴こえます。DGGにあまり出来の良くないオペラのスタジオ録音をいくつか残しているFricsayですが、ここでの指揮の方もいまひとつ。オーケストラは決して一流ではないんですが、音色は渋めでソロのひなびた響きなどはおもしろいですね。
歌手ではジークムントとジークリンデ兄妹のL.Suthaus、M.Muellerとも、ここではもはや盛りを過ぎたという印象です。とくにMuellerは若々しさがなく、おばさん声。J.Greindlのフンディング、M.Kloseのフリッカが堂々たるもの。ヴォータン役のJ.Herrmannとブリュンヒルデ役のP.Buchnerは弱くて、とくにJ.Herrmannの声はヴォータンというよりベックメッサーみたいです。第三幕はさっぱり盛りあがりませんね。




Robert F. Denzler, Orchestre de la Suisse Romande
Werth, Ralf, Alsen, Grob-Prandl, Hofmann, von Milinkovic
Victoria Hall Geneve, 04.05.1951
JGCD 0056-3

Denzlerは1892年生まれのスイスの指揮者、“Lulu“や“Mathis der Maler”のチューリヒ初演を行ったひと。

ケース写真はジークリンデを歌っているH.Werth。このひとに焦点を合わせたdiscでしょうか。力強いとはいえませんが、芯のある透明な清潔感ある美声で、Hoffmannの好きな声ですね。その他の歌手ではフンディングのH.Alsenが良く、ヴォータンのL.Hofmannは弱い。G.Grob-Prandlはde Sabataの“Tristan”でイゾルデを歌っていたんですが、あちらは音質が悪すぎてどんな歌手なのかまるで分からず。このdiscのブリュンヒルデでようやくまともに聴くことができたわけですが、この時代にしては咆哮しない、細い声―というより、太くない声で、そこはかとない清楚さが感じられて、なかなかいいですね。ほかにWagner録音が見あたらないのが残念。




Joseph Keilberth, Orchester der Bayreuther Festspiele
Lorenz, Moedl, Greindl, Hotter, Varnay
Bayreuth, 1954
GM1.0065(CD)

1954年のBayreuthにおける“Ring”はKeilberthの単独指揮でしたが、いまのところdiscで出ているのはこの“Die Walkuere”のみですね。

ジークムントのM.Lorenzの古臭い歌唱には、なにをいまさらの感。Moedlのジークリンデはむしろブリュンヒルデ向き。ただしここでブリュンヒルデを歌っているVarnayが同時代にいたのはMoedlの不運ですね。そのVarnayとHotterはもはや偉大と言うべき。Keilberthの指揮もさすがの充実ぶりで、とくに第三幕は感動的です。


Wilhelm Frutwaengler, Wiener Philmarmoniker
Moedl, Suthaus, Rysanek, Franz, Frick
Wien, 28.September bis 6.Oktober 1954
Electrola 1C149-00 675/79(LP), Toshiba WF40~44(LP)

FrutwaenglerとWiener Philmarmonikerによる“Ring”全曲録音の第一弾だったんですが、Furtwaenglerの死によりこれが最後の指揮・録音となってしまったものです。

Furtwaengler死の年の録音で、衰えは隠せず。オーケストラはイタリアのオーケストラを振った2種の録音とくらべれば圧倒的にすぐれているものの、いかにもスタジオ録音といった雰囲気で熱気に欠けるのが残念です。歌手も冴えず、MaedlもRAI盤の方がいいですね。

どうしても、「Frutwaenglerとしては・・・」という聴き方になってしまうのではないですか?(笑)続々とCD化されるlive録音も玉石混淆ですし、私は指揮とオーケストラに関してはむしろよく整った、完成度の高い好演だと思いますよ



Joseph Keilberth, Orchester der Bayreuther Festspiele
Windgassen, Moedl, Greindl, Hotter, Brouwenstijn
Barcelona, 27.04.1955
WLCD 0154(CD)

Bayreuth音楽祭の引越公演。最近続々と登場するDVDで有名になったBarcelonaのLiceu劇場での録音。残念ながら音質はかなり悪い。



Joseph Keilberth, Orchester der Bayreuther Festspiele
Varnay, Vinay, Moedl, Greindl, Hotter, Milinkovic
Bayreuth, 1955
WLCD0177(CD)

Testamentから出た同年のdiscは7月25日の公演、こちらは8月の公演の記録。Testament盤はブリュンヒルデがVarnay、ジークリンデがBouwenstijnであるのに対して、こちらはブリュンヒルデがMoedl、ジークリンデがVarnay。



Joseph Keilberth, Orchester der Bayreuther Festspiele
Vinay, Moedl, Greindl, Hotter, Varnay
Bayreuth, 11.8.1955
SBT4 1432(CD)




Sixten Ehrling, Royal Swedish Orchestra
Nilsson, Svanholm, Nordmo-Loevberg, S.Nilsson, Bjoerling, Meyer
Stockholm, November 18.1955(acts1&2), April 14.1956(act3)
CAPRICE CAP21765

第一幕、第二幕が1955年11月の録音で、第三幕は翌1956年の4月。おそらく同じプロダクションの公演だったのでしょう。録音(音質)に格別の差異はないようです。このdiscはtrackが大雑把で少なく、もう少し細かく切って欲しいですね。

さほど期待もせずに聴き始めたんですが、オーケストラはWagnerらしい響きで、細部の表情などあまり細かいことを言わなければ、まずまずの出来。ジークムントのS.Svanholmはそのキャリアも下り坂か衰えが目立つものの、逆に当時新進であったB.Nilssonが、若々しくも安定した歌唱を聴かせています。ヴォータンのS.Bjoerlingは1951年のみBayreuthに登場し、この際の録音はKarajan指揮による“Die Walkuere”第三幕がdiscになっています。ここでようやく全曲の歌唱を聴くことができるようになったわけですが、ここではやや不安定ぶりが露呈しています。


第三幕の「雷鳴ゴロゴロ」など、スタジオ録音だといかにも作り物めいた煩わしさがあるんですが、liveだと思えばこれも臨場感を高めるものと思えてきますね(^^*




Dimitri Mitropoulos, Orchestra of the Metropolitan Opera
Schech, Vinay, Boehme, Harshaw, Edelmann, Thebom
New York, 02.02.1957
LS 1058(CD)



Herberth von Karajan, Orchestre e Coro del Teatre alla Scala di Milano
Suthhaus, Rysanek, Frick Hotter, Nilsson, Madeira
Milan, April 29, 1958
IDIS 6549/51(CD)


Karajanの“Die Walkuere”のlive録音といえば1969年のMetropolitan Operaの記録と、1951年のBayreuthにおける第三幕のEMI盤がありましたね。これは1959年のScala座における公演の記録です。

これまた劣悪な音質、音が途切れたりゆれたりと、かなりお粗末な録音です。従ってよほど興味のある方以外は手を出さぬ方が無難ですね。ところがHoffmannはわりあいノイズそのほか録音の瑕に寛容なので、とりあえず最後まで聴きましたよ。演奏は、1951年のBayreuth公演(第三幕だけだけど)に近く、演奏は存外よかったというのが正直な感想です。Suthhausは衰え隠せず力みがち、ときに前のめりに突っ走ってしまい、そのせいがどうかKarajanまでがときに(おそらく自分の目指す演奏様式を)「踏み外す」んですよ。そのあたりが結構thrilling。Karajanはその都度「シマッタ;;」とか思っていた・・・かどうかは分かりませんが、後のベルリン・フィルとのレコーディングとはずいぶん違います。オーケストラはScala座にしては微温的にならず、これは指揮者の手腕でしょうか(ただし1969年のMetropolitan録音では指揮者の故につまらない響きとなっていると感じたんですけどね)。歌手はFrick Hotter, Nilsson, Madeiraと豪華、さすがに聴き応えがありますね。
ワルキューレのなかには、Christa Ludwig、Rosette Anday、Hilde Roessl-Majdanといった名前も見えます。ただし、念のため繰り返しますが、音質は劣悪ですよ。




Alexander Krannhals, Orqueatra Sinfonica del Sodre
Wilfert, Traxel, Hofmann, Synek, Matthaeus
Montevideo, 25.08.1959
Living Stage LS1062(CD)

この“Die Walkuere”のdiscは以前からshopで見かけてはいたんですが、買わないでいたもの。指揮者や歌手もさほど興味をそそらないし、これまでに入手したLiving Stage盤の劣悪な音質にいささか閉口していたこともあったため。ところが先日、shopのバーゲンコーナーに3セットあって、これは付いている値段から50%offだったんですが、全部お値段が違う。売れないので値下げして、さらに下げて、それでも売れ残ったんですね(^^;この値段なら、ということでいちばん安いものを買ったんですよ。

やっぱり音質はよくない。演奏はこれといって特徴もなし。かなりカットがあって、まあカットがあるのはめずらしくもないんですけどね、第三幕なんてはじまったと思ったら、一気に端折ってブリュンヒルデが駆け込んできます(^o^;




Rudolf Kempe, Orchester der Bayreuther Festspiele
Crespin, Uhl, Varnay, Hines, Resnik, Frick
Bayreuth, 1961
MYTO 3MCD975.164(CD)

Kempe、Bayreuthの“Ring”は1960年の録音が全曲(4部作)disc化されていますが、1961年の録音はいまのところこの“Die Walkuere”のみ。

Kempeの指揮は前年にくらべると、はるかに自信に満ちて安定していますね。F.Uhlのジークムントが、「冬の嵐は過ぎ去り」あたりで、フレーズの最後をやたらとソフトにディミヌエンドする、それがいちいちあまりにも徹底しているので、聴いていて笑ってしまいます(はじめは息が続かないのかと疑っちゃいましたよ・笑)。もっとも、ジークムントは前年のWindgassenも情けないくらい不調だったので、一長一短かも。第三幕のVarnay、Hinesはオーケストラの充実ぶりとも相俟って、なかなか感動的です。



Erich Leinsdorf, London Symphony Orchestra
Vichers, Brouwenstijn, Ward, london, Nilsson, Gorr
London, September 1961
DECCA 289 470 443-2(CD)

1961年にウィーンでKarajanがHotter、Nilsson、Vichers、Gorrといった布陣で公演した際、RCAがレコーディングを計画したところ、DECCAの横槍が入って、RCAの録音は実現せず、DECCAの録音により指揮はLeinsdorfに、オーケストラはLSO、歌手もHotterがLondonに変わって、世界じゅうのファンが落胆したというdisc。当時DECCAはSolti指揮で“Ring”のレコーディングを開始、既に1958年に“Das Rheingold”を録音していたので妨害したんでしょうな。戦後から'60年代くらいまで、ウィーン・フィルは英DECCAの専属というか独占オケというか、大英帝国の植民地だったんですよ(おかげで経営はズイブン助かったはずだが)。

しかしLeinsdorfの指揮はすばらしいものですね。歌手はとくにNilsson、Brouwenstijnがよくて、やや癖の強い歌唱ながらLondonも好演。Vichersも後のKarajanとの録音よりはまだしもまともな声です。



Edward Downes, Orchestra of the Royal Opera House Covent Garden
Bjoner, Kozub, Boehme, Dvorakova, Fliether, Veasey
London, Octiber 3, 1967
GM1.0075(CD)

このセット、CD3のTrack3、5分15秒の箇所に編集ミスがありまして、shopでも返金するとの張り紙があったんですが、修正されたものが発売されるという保証もないので、そのまま手もとにおいてあります(笑)

うっかり返品すると「幻のdisc」になっちゃうかもしれんからね(^^;


・・・と、おっしゃるほどの演奏でもないですよね。機材の不調か、音ゆれも頻繁に発生していますし(^^;




Berislav Klobucar, Orchestra of the Metropolitan Opera
Nilsson, Rysanek, Ludwig, Vickers, Stewart, Ridderbusch
New York, February 24, 1968
SONY 88697 85308 2(CD)

1968年でmono録音というのは残念ながら、録音は鮮明。ややマイク近め。Nilsson、Ludwig、Ridderbuschが充実。Vichers、Stewartがどうにも品格に欠けてよくない。第一幕、第二幕の歌い出しがこのふたりですからね、どうしても全曲盤としての印象は悪くなります。KlobucarはBayreuthにも出演したひとで、Hoffmannも「エレクトラ」を生で聴いたことがあります。ここでは手堅くまとめていますが、微温的でやや緩めのMetropolitanのオーケストラを引き締めるには至らず。管のソロなどはめいめい勝手に表情付けているよう。WalkuereたちのなかにGwendolyn Killebrew、Barbro Ericsonといった名前も見えます。   



Herbert von Karajan, Orchestra of the Metropolitan Opera
Vickers, Crespin, Talvela, Adam, Nilsson
New York, 1.3.1969
ARKADIA CDKAR217.3(CD)

オーケストラの響きはコンパクトにまとまっている印象です。といって、Karajanらしい室内楽的な精緻さに至っていないのは、やはりMetropolitanのオーケストラという、他流試合のためでしょうか。
歌手はVickersがならず者のような声を出しているほかは問題ありませんが、AdamもNilssonも、ほかの―たとえばBoehm指揮のBayreuth録音の方が出来はいいと思います。ただしKarajanとNilssonの共演はめずらしいですね。




Zubin Mehta, Bayerisches Staatsorchester
Meier. Schnaut, Fujimura, Seiffert, Tomlinson, Rydl
Muenchen, Juli 2002
FARAO B 108 040(CD)


Mehtaの指揮は悪く言えばあっけらかんとゴージャスなサウンドをオーケストラから引き出しており、深い内容を感じさせるものではないもののこれはこれで水準以上の演奏です。このひとはあまり歳を経ても変わりませんね、リズムやフレージングの硬直化といった老化現象も見受けられないのはたいしたもんです。歌手も概ね現代の水準以上で、ミュンヘンでこれだけの公演に接することができるのであれば、Bayreuthよりミュンヘンに行く方がいいんじゃないでしょうか。



Sir Simon Rattle, Berliner Philharmoniker
Stephane Braunschweig, Gambill, Petrenko, White, Westbroek, Johansson
Testival D'Aix-en-Provence, July 2007
BelAir BAC034(DVD)


Rattleの指揮はこのWagnerに限らず明晰系なので、神秘性とか魔性のような要素はどうしてもスポイルされちゃいますね。そのあたりが好みを左右するかもしれません。個人的には、いわゆるWagnerの毒も含めてWagnerの魅力なので、好みとしては微妙なところです。それにしても、Rattleもすっかり大家? いや、現代のWagner演奏という意味では、Kent NaganoあたりがRattleのさらに先を行っているんじゃないかと思うんですよ。




Christian Thielemann, Orchester der Bayreuther Festspiele
Tankred Dorst, Botha, Dohmen, Haller, Watson
Bayreuth, 21.8.2010
OPUS ARTE OA BD7081(BD)

ThielemannはかつてGoetz Friedrich率いるDeutschen Oper Berlinとともに来日して“Lohengrin”を指揮したときに二回聴いて、なんだかムカシの巨匠ふうの指揮をするひとだなと思ったもので、その印象は現在でもあまり変わりません。つまりRattleあたりとは対照的で、オーケストラに指揮棒に対する反応を俊敏にさせて、アタックを明晰にするよりも、棒を振り下ろしたところで音を出せて、わずかに厚みを持たせた響きとなるように図る・・・これは完全にそのとおりかどうか自信がないので、まあ比喩だと思ってもらってもかまいませんけどね。だからBayreuthで人気なのかなと。たしかに聴いていて、オーケストラはWagnerらしい響きだと思いますが、ちょっと後ろ向きのアプローチと感じられて、全面的に肯定はしにくいなあ。