039 ウェーバー 歌劇「魔弾の射手」 ※ 所有しているdiscを録音年順に記載します。




 ”Der Freischuetz” ※ 新規入手discとコメントは随時追記します。



 ※ Richard Wagner作品のページでは欧文表記としましたが、今回は日本語表記として、簡略化します。


エルメンドルフ指揮 ドレスデン国立歌劇場管弦楽団、同合唱団
テシェマッッハー、トレッチェル、フェーエンベルガー、ベーメ、シェレンベルク、S・ニルソン
1944.
Profil DCD PH07060(2CD)

 1944年とは思えない良質な録音。台詞は省略されています。


ケンペ指揮 ドレスデン国立歌劇場管弦楽団、同合唱団
トレッチェル、バイルケ、アルデンホフ、ベーメ、パウル、クラーマー
1950.
Profil PH10032(3CD)

 ケンペの指揮はこの時代のワーグナーの楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」と同傾向で、穏健、悪くいえば微温的で物足りません。


フルトヴェングラー指揮 ウィーン国立歌劇場管弦楽団、同合唱団
グリュンマー、シュトライヒ、ホップ、ベーメ、ペル、エ-デルマン
1954.7.26.
日コロムビア OP-7522~4-BS(3LP)
IGI-338(3LP)

 ザルツブルク音楽祭live録音。原盤はレコード番号の”BS”が示すとおり、The Bruno Walter Society。
 フルトヴェングラーとしてはおとなしい演奏。序曲に関してはほかの録音にかなり激しいものがあるので、よけいにそう思うのですが、オペラ全曲としてはよく整っていて、作品の本質を伝えている好演です。しかし、Wagner演奏などとくらべると、台詞で音楽が中断されるの番号オペラをフルトヴェングラーで聴かなくても・・・と思わないでもない(笑)
 なお、CDの時代になって、stereo録音と称するものが何度か発売されているんですが、私は特段フルトヴェングラーに思い入れがないので、入手していません。


E・クライバー指揮 ケルン放送交響楽団、同合唱団
グリュンマー、シュトライヒ、ホップ、プレブストル、ペル、ベーメ
1955.
日コロムビア OP-7547~8-BS(2LP)


 放送用録音。原盤はレコード番号の”BS”が示すとおり、The Bruno Walter Society。
 台詞は歌手とは別の俳優(女優)によるもの。放送用録音であるためか、積極的に効果音や群衆の歓声などを附加しています。意外にも、これが結構いいんですね。効果音が本当に効果を上げているというめずらしい例です。狼谷の場面など、これはこれで愉しめます。指揮と歌手もすばらしい。


カイルベルト指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、ベルリン市立歌劇場合唱団
グリュンマー、オットー、ショック、コーン、プライ、フリック
1958.(1959.との資料もあり)
独Electrola E909 56/58(3LP) mono盤
独Electrola ASDW9007-9(STE90956-58) (3LP) stereo盤
独Electrola 1C149-30 171/73(3LP) stereo盤
東独ETERNA 820-088-90(3LP) mono盤


 西側EMI録音。
 独ElectrolaのE909 56/58とASDW9007-9はドイツでの初出盤(のはず)。mono盤はstereo盤と同傾向の、やや腰高な音質ながら、東独ETERNA盤はかなり低重心。といって、昨今の「リマスタリング」を施したと称するCDのような、いじり回した感じはなく、自然。EQカーヴを調整してもElectrola盤と同じにはならず、これかなと思ったNABカーヴではさらに重厚な響きに。ちなみにETERNAのmono盤はV字厚手盤。カイルベルトの演奏バランスは、概してヴァイオリン群優先気味なものが多いので、だとするとElectrola盤の方がより近いのか、それともそのバランスは録音による先入観なのか・・・ま、悩むより両方(全部)愉しんじゃいましょう(笑)


ヘーガー指揮 バイエルン国立歌劇場管弦楽団、同合唱団
ニルソン、ケート、ゲッダ、ベリー、アンハイザー、フェルスター
1968.
独Electrola 1C065-28351/53X(3LP)


 stereo盤。箱とレーベルに”ANGEL-SERIES”表記あり。

 演奏、録音ともにこれがベストか。オーケストラの音色は惚れ惚れとするもの。東にコンヴィチュニーあれば、西にヘーガーあり(笑)


ベーム指揮 ウィーン国立歌劇場管弦楽団、同合唱団
ヤノヴィッツ、ホルム、キング、リッダーブッシュ、ヴェヒター、クラス
1972.5.28.
ORFEO C 732 0721(2CD)

 これもなかなかいいですね。歌手もよく揃っていて、ベームの指揮も1960年代の引き締まった響きを残している時期です。


C・クライバー指揮 ドレスデン国立歌劇場管弦楽団、同合唱団
ヤノヴィッツ、マティス、シュライアー、アダム、ヴァイクル、クラス
1973.
独DG 2709 046(3LP)

 買ったときに一度聴いただけで、よく覚えていません。歌手は録音当時の一流どころを揃えていますが、私には、あまり興味のない指揮者です。


サヴァリッシュ指揮 ローマRAI交響楽団、同合唱団
M・プライス、ドナート、キング、リッダーブッシュ、フェラーラ、ディアコフ
1973.1.27.
MYTO 2MCD 061.322(2CD)

 さすがサヴァリッシュ。イタリアのさほど優秀とも思えないオーケストラからいい音を引き出しています。聴く限り、舞台での公演ではなく、聴衆もいないようなので、おそらく放送用録音と思われます。


クーベリック指揮 バイエルン放送交響楽団、同合唱団
ベーレンス、ドナート、コロ、メーヴェン、ブレンデル、モル
The Herkuressaal, Munich、November 1979.
米LONDON OSA13136(3LP)


 蘭プレス。同じクーベリックの米LONDON盤では、1977年録音のニコライ「ウィンザーの陽気な女房たち」は英プレスであったのに、これは蘭プレス。時代の移り変わりを見るような気がします。
 クーベリックの指揮は丁寧な表情付けとダイナミックな振幅が両立、ヘーガー盤の強力な対抗盤。歌手はこの時代になるとやや小粒になったかと感じられるのはしかたがないところ。


G-D・ハウシルト指揮 ドレスデン国立歌劇場管弦楽団、同合唱団
スミトコヴァー、イーレ、ゴールトベルク、ヴラシハ、ケーテルゼン、アダム

1985.2.13.
日本コロムビア OX-7294→96-ND(3LP)


 ゼンパー・オペラハウスの復興記念公演live録音。VEDドイツ・シャルプラッテンとDENONの共同制作。
 指揮者は合唱指揮でよく名前を聴く人ですが、歌劇場への客演も少なくなかったようですね。オーケストラはシュターツカペレ・ドレスデンらしい渋い木質の響き。歌手も指揮者も特段目を見張るようなものではありません。しかし、衝撃とかスリルとは無縁ながら、作品の柄には合っているかも知れません。このドイツ国民オペラにはふさわしい、安心して愉しめる演奏になっています。


(Hoffmann)