040 ニコライ 歌劇「ウィンザーの陽気な女房たち」 ※ 所有しているdiscを録音年順に記載します。 ”Die Lustige Weiber von Windsor” ※ 新規入手discとコメントは随時追記します。 ※ Richard Wagner作品のページでは欧文表記としましたが、今回は日本語表記として、簡略化します。 クナッパーツブッシュ指揮 バイエルン国立管弦楽団、バイエルン国立歌劇場合唱団 プレープストル、シュミット=ヴァルター、エンゲン、ホルム、クーエン、クッパー、ベニングゼン、フェルザー 1957.2.14. live ORFEO C 787 1021(2CD) ミュンヘン、プリンツレゲンテン劇場でのlive録音。mono。この指揮者のファンはなんでも絶賛するのですが、特段どうというほどの演奏でもありません。お世辞にも洗練された演奏とは言えず、若干ギクシャクして聴こえますが、演出臭がしないのはいいかもしれません。もっとも、ここに並べたレコード・CDで過剰な演出を感じる演奏はありません。歌手は良くも悪くも1950年代のミュンヘンおける平均的なスタイルなのでしょう、liveならではの愉しめるものです。 ヘーガー指揮 バイエルン国立歌劇場管弦楽団、同合唱団 フリック、グートシュタイン、エンゲン、ヴンダーリヒ、レンツ、ピュッツ、リッツ、マティス 1963. 独Electrola E91 265/67(3LP) 英His Master's Voice(EMI)(2LPバラ) 英盤はセミサークル。 「魔弾の射手」と同様、やはりここでもヘーガー盤がベストでしょうか。ゴットローブ・フリックが最高の歌唱、ヴンダーリヒもその他の歌手も、ところを得たという感じで、全員が名人芸を発揮している奇蹟のようなレコードです。 クレー指揮 ベルリン国立歌劇場管弦楽団、同合唱団 モル、ヴァイクル、フォーゲル、シュライアー、メルカー、マティス、シュヴァルツ、ドナート Studio Christuskirche, Berlin、1976. 東独ETERNA 8 27 089-091(3LP) 西側録音です、東側の歌手が参加していることによる東独ETERNA盤。以前DG盤も持っていましたが、一度手放して、あらためてETERNA盤を入手したもの。 台詞を短くするためか、ナレーションが入って劇が進行します。これをアイデア倒れと感じる人もいるかもしれませんが、マルケヴィチのオッフェンバック「ラ・ペリコール」(EMI)のような大成功例もありますからね。そこは好き好きだと思いますが、ナレーションのHelmuth Strassburgerの語り口は出しゃばりすぎず楽しそうでもあり、上手いものです。 ベルンハルト・クレーはエディット・マティスの亭主。あまり高い評価をされているのを聞いたことも読んだこともありませんが、なかなかの実力派だと思います。あえて言えば、風格とか貫禄が不足気味かな。ここでもヘーガーとクーベリックに挟まれては不利です。歌手はとりわけ豪華な面々ですね。 EQカーヴはRIAAだとは思いますが、ややカン高く、NABで落ち着きます。高域を落とした方がいいということ。 クーベリック指揮 バイエルン放送交響楽団、同合唱団 リッダーブッシュ、ブレンデル、マルタ、アーンシェ、ツェドニク、ドナート、シュミット、ズキス The Herkuressaal, Munich、April 1977. 米LONDON OSA13127(3LP) 英プレス。 ヘーガー盤でアンナを歌っているマティスがクレー盤ではフルート夫人を歌い、クレー盤でアンナだったドナートがここではフルート夫人を歌っている。まるで出世魚みたいですね(違うか・笑) ローベルト・ヘーガー、ラファエル・クーベリックの二人が二人とも、「魔弾の射手」と「ウィンザーの陽気な女房たち」のいずれも録音して、しかも、どちらも優れた演奏であることろがおもしろいですね。やはりここでも、表情付けが丁寧でありながら躍動感に満ちたクーベリック盤はヘーガーの対抗盤です。私はリッダーブッシュが好きなので、あまり世評が高くないのが不満なんですが、ことさらにおどけて見せたりせず、風格を保ちながら微妙な味わいを醸し出すところ、見事なものだと思います。 シルマー指揮 ミュンヘン放送管弦楽団、バイエルン放送合唱団 ライター、アイヒェ、シュテフィンガー、ボスマー、シュミット、バンゼ、マイケルト、コロンディ 2007.1.13&14. live cpo 777 317-2(2CD) 音楽史上において作品の重要度(があまり高いものでもないこと)からすれば、なかなか新録音は望めないところ、これがいまのところ最新でしょうか。live録音で、実力派ウルフ・シルマーの棒の下、なかなか感興豊かな愉しめる演奏になっています。 (Hoffmann) |