045 モーツアルト 歌劇「魔笛」 ※ 所有しているdiscを録音年順に記載します。 ”Die Zauberfloete” ※ 新規入手discとコメントは随時追記します。 トスカニーニ指揮 ウィーン国立歌劇場管弦楽団、同合唱団 ノヴォトナ、ロスヴェンゲ、ドームグラフ=ファスベンダー、コレマス、オスヴァト、キプニス 1937.7.30.live MEMORIES MR2431/2433(3CD) ザルツブルク音楽祭live。同じくザルツブルク音楽祭1936.7.25.liveの「フィデリオ」第一幕を併録、歌手はロッテ・レーマンほか。 テンポが速過ぎて、歌手は歌いにくそう、というより、実力を発揮できていないのでは? カイルベルト指揮 シュトゥットガルト放送交響楽団、同合唱団 アイッペル、ルートヴィヒ、シュミット=ワルター、プライジヒ、ピルッティ、マノヴァルダ 1937.12.10 PREISER 90254(2CD) ビーチャム指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、ベルリン・ファヴレス合唱団 レムニッツ、ロスヴェンゲ、ヒュッシュ、バイルケ、ベルガー、シュトリーンツ 1937~8 EMI RLS1434653(3LP) 台詞なし。ポルタメントが時代を感じさせる。なんでも、シュワルツコップが合唱団の一員として参加しているとか。 ワルター指揮 メトロポリタン歌劇場管弦楽団、同合唱団 ノヴォトナ、クルマン、ブラウンリー、ライモンディ、アントイネ、ピンツァ 1942.live WALHALL WHL2(2CD) 英語歌唱。 ワルター指揮 メトロポリタン歌劇場管弦楽団、同合唱団 スティーバー、タッカー、ブランリー、、ベルガー、ハインズ 1949.live 英語歌唱。 フルトヴェングラー指揮 ウィーン国立歌劇場管弦楽団、同合唱団 ゼーフリート、ルートヴィヒ、シュミット=ワルター、オラヴェッツ、リップ、グラインドル 1949.7.27.live 日本コロムビア OP-7526~8-BS(3LP)、ORFEO C650 053D(2CD) ザルツブルク音楽祭live。 カラヤン指揮 ウィーン国立歌劇場管弦楽団、同合唱団 ゼーフリート、デルモータ、クンツ、ローゼ、リップ、ウェーバー 1950 Pathe Marconi(EMI) 2C163-01663/5(3LP) 台詞なし。歌手は当時のウィーンならでは。 フルトヴェングラー指揮 ウィーン国立歌劇場管弦楽団、同合唱団 ゼーフリート、デルモータ、クンツ、オラヴェッツ、リップ、グラインドル 1951.live キング GT7093-5(3LP)、foyer FO1028(3LP)、FONIT CETRA FE19(3LP)、EMI 5 65356 2(2CD) ザルツブルク音楽祭live。FONIT CETRA盤は〈stereo〉表記あり(じっさいはmono)。また、FONIT CETRA盤には〈6.agosto 1951〉の表記もあり。 フルトヴェングラーは1949年とあまり変わらないが、やはりクンツのパパゲーノが聴けるこちらを選びたいところ。 カイルベルト指揮 ケルン放送交響楽団、同合唱団 シュティッヒ=ランダル、ショック、クンツ、ゼルト、リップ、グラインドル 1954 WALHALL WLCD0084(2CD) ”Chor und Orcgester des Westdeutschen Rundfunks”と表記されているが、ケルン放送交響楽団のこと。 フリッチャイ指揮 ベルリン放送交響楽団、RIAS室内合唱団 シュターダー、ヘフリガー、F=ディースカウ、オットー、シュトライヒ、グラインドル 1955 DG LPM18264/66(3LP) mono録音。この時代のレコード会社(DG)は未だオペラ録音に慣れていなかったのでは? F=ディースカウのパパゲーノも、この時代だとさほどあざとさがなく素直な歌。ほかの歌手もよい歌を聴かせてくれる。 ベーム指揮 ウィーン国立歌劇場管弦楽団、同合唱団 ギューデン、シモノー、ベリー、ローゼ、リップ、ベーメ 1955 仏DECCA 592131(3LP) いかにもウィーンの「魔笛」というimage。 ワルター指揮 メトロポリタン歌劇場管弦楽団、同合唱団 アマーラ、サリヴァン、ウップマン、ハーリー、ピータース、ハインズ 1956.live WAKHALL WLCD0181(2CD)、KING International EPITA033/4(2CD) 英語歌唱。録音日は2月23日と3月3日の2説あり。KING盤は3月3日と表記。 セル指揮 ウィーン国立歌劇場管弦楽団、同合唱団 デラ・カーザ、シモノー、ベリー、シュッティ、ケート、ベーメ 1959.7.27.live MELODRAM MEL007(3LP)、ORFEO C455 972 I(2CD) ザルツブルク音楽祭live。セルは1954年のトラブル以来メトロポリタン歌劇場とは絶縁していたはずので、オペラの指揮は貴重な記録。シモノーが不調。 カイルベルト指揮 ウィーン国立歌劇場管弦楽団、同合唱団 フェルスター、ヴンダーリヒ、ベリー、シュッティ、ケート、フリック 1960.8.12.live GOLDEN Melodram GM5.0044(2CD) ザルツブルク音楽祭live。 クレンペラー指揮 フィルハーモニア管弦楽団、同合唱団 ヤノヴィッツ、ゲッダ、ベリー、ピュッツ、ポップ、フリック 1964 EMI 2C165-00031/33(3LP)、Electrola 1C157-00031/33(3LP) 台詞省略。当初台詞がカットされていることを残念に思っていたが、歌手とまったく声の違う役者が台詞を担当していたり、ナレーターが登場するようなdiscにくらべれば、いっそこの方がいいと思えてきた。音楽(歌)がどんどん聴けるのもメリット。 歌手は総じて見事。とりわけ若き日のルチア・ポップによる夜の女王が(この役としては若々しすぎるかもしれないが)すばらしい。好みで選べばこれがベスト。当時ポップ24歳、この録音のときは歯医者に行った後で、口のなかに麻酔がかかったままだったとか。ワルター・ベリーのパパゲーノもいい。このひとは、その後歳とともに演技が大げさになって、歌のフォルムまで崩れてしまうことになるが、ここではもちろん未だ衰えてはおらず、セッション録音ということもあって、きちんと歌っている。セッション録音にもメリットがある?(笑) ベーム指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、RIAS室内合唱団 リアー、ヴンダーリヒ、F=ディースカウ、オットー、ピータース、クラス 1964 DG 138 981/83(3LP) F=ディースカウはパパゲーノにはあまりに異質。私がF=Dを嫌いであることを別にしても、この配役がすべてをぶち壊していると思う。指揮は錚々たる歌手と相俟って、スケールの大きい堂々としたもの。 ヨッフム指揮 ベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団、同合唱団 ギューデン、ヘフリガー、レール、ヤスパー、ゲイヤー、タルヴェラ 1966.10.24.live キング KKC2528/9(2CD) 日生劇場での来日公演live。 スウィトナー指揮 ドレスデン国立歌劇場管弦楽団、同合唱団 ドナート、シュライアー、ライプ、ゲスティ、アダム 1968 ETERNA 826173-175(3LP) コンパクトにまとまった印象。ゲスティの夜の女王はショルティ盤のドイテコムに次ぐ出来。 ショルティ指揮 ウィーン国立歌劇場管弦楽団、同合唱団 ローレンガー、バロウズ、プライ、ホルム、ドイテコム、タルヴェラ 1969 DECCA SET479-81(3LP) 効果音(擬音)がやや鬱陶しいものの、ドイテコムの夜の女王を聴くためだけでも所有している意味のあるレコード。いやはや、これを聴くとほかのdsicの夜の女王たちが霞んでしまいますナ。 サヴァリッシュ指揮 バイエルン国立歌劇場管弦楽団、同合唱団 ローテンベルガー、シュライアー、ベリー、ミリャコヴィチ、モーザー、モル 1972 Electrola 1C197-30 154/56(3LP)、東芝EAA-90066~68(3LP) 私がはじめて聴いた「魔笛」のレコード。オーソドックスな好演。夜の女王役のエッダ・モーザーは高音は出ているが、表現いまひとつ。その他の歌手は芸達者揃い。全体としては小粒な印象も。音質はやや彫りが浅く聴こえるのが残念。 ロンバール指揮 ストラスブール・フィルハーモニー管弦楽団、ライン・オペラ合唱団 テ・カナワ、ホフマン、フッテンロッハー、バトル、グルベローヴァ、モル 1978 Barclay 960012/014(3LP) 歌手はテ・カナワ、P・ホフマン、バトル、グルベロヴァーなど、まだまだ未熟。もっともバトルはその後も未熟なまま消えました。なんでも、どこかの歌劇場で座付きの指揮者を批判して、「指揮者を代えるか、私を代えるか」と迫ったところ、本人が下ろされてその後干されてしまったんだとか。歌も下手なうえ、台詞の下手さ加減ときたら、もう微笑ましいくらい。この程度で天狗になっていたのでは当然の成り行きでしょう。フッテンロッハー、モルがいい歌唱。侍女役に伊原直子の名前が見える。 指揮に関しては、一曲一曲を聴く限りでは悪くないが、全曲を通じての設計というものが感じとれない。まあ、storyもほとんど破綻しているようなおとぎ話なので、極端なハナシ、オペラじゃなくてミュージカルだと思えば、これはこれで問題ないかなとも思う。ミュージカルだなんて突飛なことを言うようだが、劇団「シカネーダー」の大衆向けミュージカル・・・って発想は、そんなにおかしなもんじゃないでショ。 ハイティンク指揮 バイエルン国立歌劇場管弦楽団、同合唱団 ポップ、イェルサレム、ブレンデル、リントナー、グルベローヴァ、ブラハト 1981 Electrola 1C165-43 110/12T(3LP) ハイティンクはドラマティックではないものの、出しゃばることがない分、歌手は歌いやすそう。録音は良質。 サヴァリッシュ指揮 バイエルン国立歌劇場管弦楽団、同合唱団 ポップ、アライザ、ブレンデル、シーバー、グルベローヴァ、モル 1983 DG 00440 073 4106(1DVD) DVD。演出エヴァーディンク。 デイヴィス指揮 ドレスデン国立歌劇場管弦楽団、同合唱団 M・プライス、シュライアー、メルビエ、ヴェヌーティ、セッラ、モル 1984 PHILIPS 411 459-1(3LP) 1984年の録音で台詞を役者が受け持っているというのもどうかと思われる。しかも、一部声が違いすぎる。これならいっそ台詞をカットした方がまし。台詞が喋れない歌手の歌など聴きたくないと言いたくなる。 アーノンクール指揮 チューリヒ歌劇場管弦楽団、同合唱団 ボニー、ブロホヴィツ、シャリンガー、シュミット、グルベローヴァ、サルミネン 1987 Teldec 2292-42716-2(2CD) 台詞の代わりにナレーターが物語をつなぐ。何度も聴いていると煩わしくなる。 アーノンクールの指揮はリズムが鋭くて、はじめのうちはおもしろく聴けるものの、全曲聴いているとだんだん飽きてくる。台詞がなくてナレーターが登場するのも、ダメとは言わないが、あまり繰り返し聴きたくならない理由のひとつ。 ジョルダン指揮 パリ・アンサンブル管弦楽団、ローザンヌ室内合唱団 オルガノソーヴァ、ウィンベルイ、ハーゲゴール、ボーヴェ、ヨー、ゼーリヒ 1989 Erato 2292-45469-2(2CD) アルミン・ジョルダンはわりあい好きな指揮者。ただこのひと、レコード会社の要請なのか、録音で聴く限りレパートリーはどうもとらえどころがなくて、ちょっと損したひとかもしれません。歌手は全体に小粒な印象ながら、よくまとまっている。 ガーディナー指揮 イングリッシュ・バロック・ソロイスツ、モンテヴェルディ合唱団 エルツェ、シャーデ、フィンレイ、バッケス、ジーデン、ペータース 1995 449 166-2(2CD) 某音楽家が自宅での取材の際にこのガーディナーの「魔笛」のdiscの写真を撮らせて、「ホグウッドの『魔笛』なんかいいですね」てな発言をしていました。誤植じゃないでしょう。取材する(そして原稿を書く)側もどうかと思うが、あらら、ガーディナーったら、はやくも影が薄くなっちゃったのか・・・。 ムーティ指揮 ウィーン国立歌劇場管弦楽団、同合唱団 キューマイアー、グローヴズ、ゲルハーエル、ベスパロヴァイテ、ダムラウ、パペ 2006 DECCA 074 3159(2DVD) オーディ演出。 |