133 モーツアルトのピアノ協奏曲 その2 CD篇




 CDでは、やはり私の好きなチッコリーニの盤を最初に取り上げたい―

モーツアルト:ピアノ協奏曲第23番 K.488
同:ピアノ協奏曲第20番 K.466
 アルド・チッコリーニ(ピアノ)
 ローレンス・フォスター指揮 モンペリエ国立歌劇場管弦楽団
 モンペリエ、2008.7,26 live
Accord 4802638 (CD) stereo


モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番ニ短調 K.466
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番ハ短調 Op.18
 アルド・チッコリーニ(ピアノ)
 ヤニク・ネゼ=セガン指揮 ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
 ロンドン、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール、2011.10.12(モーツァルト)、2009.5.27(ラフマニノフ) live
LPO LPO-0102 (CD) stereo


 どちらかといえば2008年のローレンス・フォスター盤。20番K.466と23番K.488というのは、個人的には「黄金の組合せ」。ネゼ=セガンはやや主張が強いのに、一本調子。チッコリーニのピアノも、2008年の方が好調ではないか。


 次はクララ・ハスキル。ハスキルのモーツアルトは次回まとめて取り上げることにしたので、ここでは数あるなかから次の2枚を―

チャイコフスキー:交響曲第4番ヘ短調 Op.36
ラヴェル:スペイン狂詩曲
モーツァルト:交響曲第35番ニ長調 K.385「ハフナー」
モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番イ長調 K.488
モーツァルト:交響曲第41番ハ長調 K.551「ジュピター」
 クララ・ハスキル(ピアノ)
 ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮 フィルハーモニア管弦楽団
 ロンドン、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール、1955.5.1(チャイコフスキー)、
 1955.10.18(ラヴェル)、1956.2.6(モーツアルト) live
Ica Classics ICAC5142 (2CD) mono


モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番ニ短調 K.466
同:交響曲第39番変ホ長調 K.543
同:デュポールのメヌエットによる9つの変奏曲 K.573(ボーナス・トラック)
 クララ・ハスキル(ピアノ)
 ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮 フィルハーモニア管弦楽団
 ザルツブルク、モーツァルテウム大ホール、1956.1.28 live
 ブザンソン音楽祭、1956.9.7(ボーナス・トラックのみ)
Ica Classics ICAC5166 (CD) mono


 この時期のカラヤン(とフィルハーモニア管弦楽団)との20番、23番の記録が残っていたのはありがたい。カラヤンもこの頃はまともだった・・・って、じつはここに収録されている交響曲は買ってから一度も聴いていない(笑)


 あとは、私の好きなピアニストを3人―

モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番ニ短調 K.466
同:ピアノ協奏曲第27番 K.595
 ジョルジュ・プルーデルマッハー(プルデルマシェール)(ピアノ)
 Karolos Trikolidis指揮 グルベンキアン財団管弦楽団
 1989.9.9-11
LYRINX LYR CD087 (CD) stereo


 指揮者はギリシア系オーストリア人、トリコリディスと発音するのだろうか? 1947年生まれで2022年に74歳で亡くなっているが、伴奏も含めていい演奏だと思う。


Georges Pludermacher、名前は「プリュデルマシェ」と発音するのかも知れない。当人はドイツ風に「プルーデルマッハー」と呼ばれるのを好んでいると聞いたことがある。


モーツァルト:ピアノ協奏曲第21番ハ長調 K.467
同:ピアノ協奏曲第24番ハ短調 K.491
 ジャン=クロード・ペヌティエ(ピアノ)
 クリストフ・ポッペン指揮 フランス放送フィルハーモニー管弦楽団
 パリ、オーディトリウム・ド・ラ・メゾン・ド・ラ・ラディオ、2016.2.20 live
Mirare MIR316 (CD) stereo

 
これも美しい。21番はハスキルがついに演奏しなかった作品。ペヌティエのピアノは、個人的にはリパッティよりも好き。


Jean-Claude Pennetier


モーツァルト:ピアノ協奏曲第21番ハ長調 K.467
同:歌劇「ドン・ジョヴァンニ」 K.527 序曲
同:ピアノ協奏曲第20番ニ短調 K.466
 ジャン=エフラム・バヴゼ(ピアノ/Yamaha CFX)
 ガボール・タカーチ=ナジ指揮 マンチェスター・カメラータ
 マンチェスター、ハンツ・バンク、ストーラー・ホール、2018.9.7,8
CHANDOS CHAN20083 (CD) stereo


モーツァルト:歌劇「劇場支配人」 K.486 序曲
同:ピアノ協奏曲第22番変ホ長調 K.482
同:ピアノ協奏曲第23番イ長調 K.488
 ジャン=エフラム・バヴゼ(ピアノ/YAMAHA CFX)
 ガボール・タカーチ=ナジ指揮 マンチェスター・カメラータ
 マンチェスター、ハンツ・バンク、ストーラー・ホール、2021.10.9,10
CHANDOS CHAN20166 (CD) stereo


 全曲録音中。私は20番 K.466と23番 K.488がとくに好きなので、この2枚で代表させる。使用ピアノ、CFXはヤマハの、たしかお値段2千万円以上するコンサート・ピアノ。

 序曲はもちろん、協奏曲各曲の前奏からしてこの室内オーケストラの旺盛な表現意欲に圧倒される。どことなく、古楽演奏の影響も感じられる。バヴゼのピアノは軽やかでいて、微細なニュアンスが深い内容を感じさせる。録音もいい。


Jean-Efflam Bavouzet


(Hoffmann)