147 女流ヴァイオリニストのdiscから その1 ※ 表題変えました。 女流ヴァイオリニストというのは人気があって、よく売れるんだとか。 これ、多分CDの話。しかし、LPでも中古市場では、女流ヴァイオリニストの盤は高価で、しかも人気があってなかなか入手困難な場合が多いんですね。 歴史的録音、あるいはmono時代の録音となると、男性のヴァイオリニストのレコードは何度か再発されていることが多くて、わりあい手に入れやすいんですよ。ところが、女性のヴァイオリニストとなると、もとからあまり枚数が出ていなくて・・・ということは、つまりあまり売れなかったということだと思われるんですが、再発盤ですらプレス枚数が少なかったようで、なかなか見つからなかったりする。下手すりゃ再発盤が存在しないこともある。original盤しか選択肢がない場合も少なくないんですね。 私の場合、イマドキの若い娘にはまるっきり興味がないので、CDはどうでもいい。ひょっとすると将来大成して、あるいは消えてえしまって幻のヴァイオリニスト扱いされるようになったら、興味を持つこともあるかも・・・。なので、いまのうちにせいぜいよく売れてもらって、将来、中古市場に豊富に並んでもらえれば、ひょっとすると、聴いてみようかな、なんて思うかも知れません。もっともそれまで私の寿命が保つかどうかはわからない(笑)そんな将来の心配をするよりも、いま手許にあるレコードを聴く方が優先事項。 というわけで、私が好きな女流ヴァイオリニストのレコードからいくつか取り上げます。 Tschaikovsky:Violin Concerto Michele Auclair (violin) Kurt Woess, The Austrian Symphony Orchestra 1950 米Remington RLP-199-20 (LP) Bruch:Violin Concerto Bruch:Kol Nidrei Michele Auclair (violin) Wilhelm Loibner, The Austrian Symphony Orchestra 1952 米Remington R・199・127 (LP) EQカーヴはおそらくNAB。 CD以前、ミシェル・オークレールのレコードで比較的入手しやすかったのは、PHILIPSから国内盤も出ていた、モーツアルトのヴァイオリン協奏曲第4番、第5番と、チャイコフスキー、メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲の2枚でした。いずれもstereo期の録音で、私も愛聴していたものですが、このmono時代、若き日の録音の白熱的な演奏をはじめて聴いたときは驚きましたね。いや、stereo再録音のチャイコフスキーもあれはあれで立派な演奏ですけどね。引退が早かったのは、結婚して家庭に入ったためとも左手の故障とも言われていますが、以後は教育者として活躍した模様、我が国の音大にも何度か来日していた模様です。 Michele Auclair Brahms:Concerto en re majeur pour violon et orchestre Ginette Neveu (violin) Hans Schmidt-Isserstedt, l'orchstre symphonique de Radio Hambourg 1948.5.3 仏STIL 0305S48 (LP) これはNWDRに埋もれていた音源が1981年に初レコード化されたoriginal盤。monoながら音質良好。独ではAcanta、日本ではPHILIPSから出ており、私はすべて聴いていますが、音質はかなりの差があって、この仏STILがベスト。 ジネット・ヌヴーによる同曲の録音は以下の4種類がある― イサイ・ドブロウェン指揮 フィルハーモニア管弦楽団 1946.8.16-18 HMVセッション録音 ロジェ・デゾルミエール指揮 フランス国立放送管弦楽団 1948.4.25 パリlive ハンス・シュミット=イッセルシュテット指揮 北西ドイツ放送交響楽団 1948.5.3 ハンブルクlive(当録音) アンタル・ドラティ指揮 ハーグ・レジデンティ管弦楽団 1949.6.10 ハーグlive ヌヴーのヴァイオリン、伴奏ともにこの盤がもっともすぐれています。とくにヌヴーのヴァイオリンが情熱的。ヌヴーは1949年10月に飛行機事故で亡くなっているので、早すぎる晩年の貴重な録音。 Ginette Neveu Sibelius:Violin Concerto Camilla Wicks (violin) Sixten Ehrling, Symphony Orchestra of Radio-Stockholm 1952 米Capitol P8175 (LP) EQカーヴはAESと思われます。 カミラ・ウィックスのシベリウス。東芝GR盤も所有しています。original盤はスウェーデン盤ということになるんでしょうか。私が持っているのはわりあい入手しやすい米Capitol盤と東芝GR盤ですが、この米プレス盤も満更悪い音ではありません。シベリウスの協奏曲はジネット・ヌヴーの録音もすばらしいのですが、この作品に関してはウィックスを上位に挙げたいところ。さすが、シベリウスに「最高の解釈者」と称賛されたというのも納得です。 Camilla Wicks Schubert:Rondo "Rondo Brillant" op.70, D.895 Beethoven:Violin Sonata No.8 op.30, No.3 Beethoven:Violin Sonata No.5 "Spring" op.24 Johanna Martzy (violin) Jean Antonietti (piano) Koeln, 1957.5.18 キングインターナショナル WEITLP001/2 (2LP) 協奏曲以外で最近ときどき聴いているものを。これは古い盤ではなく、比較的新しい発売。ただしこれまで未発表であったスタジオ録音。 ヨハンナ・マルツィはヨアヒムの教えを受け、フバイに見い出された往年の名女流奏者。当録音は2016年にWEITBLICK レーベルからCDでも発売されていた。音質も良好。このLPはWEITBLICKレーベルLP化シリーズの第1弾となったもの。 Johanna Martzy (Hoffmann) |