162 ブラームスの交響曲のdiscから その4 引き続きブラームスの交響曲のレコードを思いつくまま― ブラームス:交響曲第2番 ピエール・モントゥー指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 1959.4 仏RCA 640.746 (LP) stereo ブラームス:交響曲第2番 ピエール・モントゥー指揮 ロンドン交響楽団 1962.11 加PHILIPS 6570 108 (LP) stereo 仏RCAは"LIVING STEREO"盤。いずれもモントゥーらしい内声部の処理が巧みな演奏。どちらがより良いというものでもないが、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団は指揮者の意図に自らの刻印を付け加えている印象がある。その意味ではロンドン交響楽団の方が純粋であるとも言える。 ブラームス:交響曲第4番 フリッツ・ライナー指揮 ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団 1962.10 加CGESKY RECORDS CR6 (LP) stereo 「リーダーズ・ダイジェスト」のための録音。フリッツ・ライナーもヨーロッパのオーケストラを振るとシカゴ交響楽団の時とは異なった、やはりヨーロッパのオーケストラらしい響きを作る。線が細くならないところがライナーらしい。このCHESKY盤は音質も良好。 ここで、キリル・コンドラシンのレコードを― ブラームス:交響曲第1番 キリル・コンドラシン指揮 URSS 1969? 露MELODIYA C10-04871=2 (LP) stereo ブラームス:交響曲第2番 キリル・コンドラシン指揮 UdSSR 1969? 東独ETERNA 8 27 038 (LP) stereo ブラームス:交響曲第1番 キリル・コンドラシン指揮 アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団 1980.2.29 蘭PHILIPS 412 065-1 (LP) stereo ブラームス:交響曲第2番 キリル・コンドラシン指揮 アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団 1975.11.29 蘭PHILIPS 412 066-1 (LP) stereo URSSとかUdSSRというのは、ソヴィエトRTV大交響楽団、すなわちモスクワ放送交響楽団のことでいいのか、そのモスクワ放送交響楽団という名称が便宜的なものであるとする声もあり、よくわからないが、あまり気にしていない、というか、どうでもいい(笑)たしか交響曲全曲録音があったはず。PHILIPSから出たアムステルダム録音は、ブラームスは1番と2番しかない。MELODIYA盤の1番はややカン高いバランスで、演奏もアムステルダムの方が上。しかし2番はロシア(ソ連)録音の方がいい。なお、PHILIPSから出たコンセルトヘボウ管弦楽団との録音をコンドラシンンの「亡命後」と記載しているのを読んだことがあるが、オランダへの亡命は1978年なので、この第2番は亡命前のlive録音。 あと、ここまでに取りあげるタイミングがなかったもので1番から4番まで1点ずつ― ブラームス:交響曲第1番 フランツ・コンヴィチュニー指揮 ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団 1962 独BERLIN CLASSICS 0300845BC (LP) stereo コンヴィチュニーは復刻盤で180g重量盤。オーケストラの響きは美しいが、ベートーヴェンやシューマンのETERNA盤に聴けるものとはやや異なる。original盤を聴いていみたい。 ブラームス:交響曲第2番 ブルーノ・ワルター指揮 フランス国立放送管弦楽団 1955.5.5 live 日本コロムビア OS-7021→6-BS (6LP) ワルター協会音源の国内盤「ワルター 音楽を語る フランス国立放送管弦楽団と共に」と題された6枚組の5枚め。ワルターの指揮はアメリカ、ニューヨーク・フィルハーモニック時代のものながら、響きは明るく、弦はアメリカのオーケストラとは一線を画す。 ブラームス:交響曲第3番 アンドルー・マンゼ指揮 ヘルシンボリ交響楽団 2009/2010 独cpo 777 999-1 (LP) ここまで取りあげた中で最新盤(笑)スウェーデンのオーケストラ。SACDで全集が出ているらしいが、LPで出たのはこの3番だけ。なぜか3番は録音がダンゴ状になっているものが少なくないようで、このマンゼ盤のように、スコアどおり2管編成でヴィブラートも抑制気味の演奏は、スッキリ聴こえる。1、2、4番は聴いていないが、この演奏はとりわけ3番にふさわしいかもしれない。 ブラームス:交響曲第4番 コダーイ:ガランタ舞曲 ヴィクトール・デ・サバータ指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 1939.3-4 独HELIODOR 88001 (LP) mono オーケストラにはポルタメントなども聴き取れるが、指揮者はわりあいドライでモダン。 その他、フルトヴェングラー、メンゲルベルクなどのレコードは省略。機会があれば何らかの形で取りあげるかもしれない。 (Hoffmann) |