115 クライバーと言えばエーリヒ




 エーリヒ・クライバーErich Kleiber1890年、ウィーンに生まれた指揮者。いまではカルロス・クライバーの父親といった方がわかりやすいんでしょうか。しかし、カルロス・クライバーに関心がない私にとって、クライバーといえばエーリヒのこと。

 1911年、プラハ歌劇場で指揮者デビューして、1912~19年ダルムシュタット宮廷歌劇場指揮者。その後、バルメン=エルバーフェルト、デュッセルドルフ、マンハイムの指揮者を歴任。1923~33年、黄金の20年代後半、ベルリン国立歌劇場音楽監督。この間に、ベルクの「ヴォツェック」を137回のリハーサルを経て初演したことは有名ですね。

 ところが1934年、「ヒンデミット事件」でフルトヴェングラーを擁護し、ナチスに背を向けて国立歌劇場を辞任しドイツ出国。以後、指揮者としては放浪生活に。1936年にはブエノスアイレスのテアトロ・コロンでドイツオペラの首席指揮者に。南米各地のオーケストラに客演し、1943年から1947年にはハバナ・フィルハーモニー管弦楽団の指揮者も兼務。葉巻が美味しそうですね。なお、1939年にはアルゼンチンの市民権を取得しています。

 ヨーロッパに復帰したのは戦後の1948年、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団への客演でした。1951年には古巣のベルリン国立歌劇場にも復帰、このときフルトヴェングラーが客席にいて、指揮者クライバーが登場すると深々と一礼したと言われています。1954年には同歌劇場監督に任命されるも、この歌劇場が東独管轄であったという政治的な理由により、就任直前の1955年に辞任。1956年秋には戦後初のウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のアメリカ演奏旅行に同行することが決まっていましたが、その年の1月27日に客演旅行中のチューリヒで客死。


Erich Kleiber

 とりあえずレコードに限ると、これまでに取り上げたことがあるのはモーツアルトの「フィガロの結婚」のDECCAセッション録音と、ウェーバーの「魔弾の射手」ケルンでの放送用録音でしたね。

モーツアルト:歌劇「フィガロの結婚」
E・クライバー指揮 ウィーン国立歌劇場管弦楽団、同合唱団
ペル、デラ・カーザ、ギューデン、シェピ、ダンコ
1955
DECCA LXT5088~LXT5091(4LPバラ)、LONDON OSA1402(4LP)


 DECCA盤は4LPバラ、英プレスのmono盤。米LONDON盤は英プレスのstereo盤。

 おそらく当時のウィーンの伝統的なスタイル。かつてLP時代、現在のように過去のlive録音のCDなどがなかったころは、ウィーンにおけるオペラの黄金時代の記録を愉しみたければ、定番とされていたものです。いまでもその価値は失われていません。

ウェーバー:歌劇「魔弾の射手」
E・クライバー指揮 ケルン放送交響楽団、同合唱団
グリュンマー、シュトライヒ、ホップ、プレブストル、ペル、ベーメ
1955.
日コロムビア OP-7547~8-BS(2LP)


 放送用録音。原盤はレコード番号の”BS”が示すとおり、The Bruno Walter Society。

 台詞は歌手とは別の俳優(女優)によるもの。放送用録音であるためか、積極的に効果音や群衆の歓声などを附加しています。意外にも、これが結構いいんですね。効果音が本当に効果を上げているというめずらしい例です。狼谷の場面など、これはこれで愉しめます。指揮と歌手もすばらしい。

 DECCAといえばR・シュトラウスの「薔薇の騎士」も忘れてはいけませんね。

R.シュトラウス:歌劇「薔薇の騎士」
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 ウィーン国立歌劇場合唱団
マリア・ライニング、ルートヴィヒ・ヴェーバー、セーナ・ユリナッチ、
アルフレート・ペル、ヒルデ・ギューデン
1954.5.29-6.28
英DECCA GOM512・5 (4LP)


 これは"Ace of Diamonds"シリーズ。

 旧き良き時代のウィーンの香りが残っている貴重な録音。「薔薇の騎士」の全曲盤はLP、CDでいくつか所有していますが、今回この盤を聴いて、mono盤ながらこれだけ持っていれば十分じゃないかなと思いました。

 オペラ全曲盤では、このほかにCD時代になって発掘されたワーグナー、ヴェルディなどがありますが、今回は省略。

 交響曲では、「098 フルトヴェングラーのレコード その1 思い出篇」で、フルトヴェングラー初のベートーヴェン交響曲全集、PHILIPSから出たもの(原盤は米オリンピック)の第2番がじっさいはエーリヒ・クライバー指揮ベルリン国立歌劇場管弦楽団による1929年のポリドールSP録音だったという話がありましたね。

 エーリヒ・クライバーの指揮するレコードで、SP盤以外だと比較的入手しやすいのはやはりDECCA録音でしょう。これまでに取り上げたことがあるのは、「101 mono盤の再生 カートリッジの選び方 あるいはmono盤で聴くチャイコフスキー交響曲第6番『悲愴』」のときの以下の盤―

チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」
パリ音楽院管弦楽団
1953
英DECCA LXT2888 (LP)
英DECCA LXT5370 (LP)


 LXT2888は1954年がoriginal盤でこれは1955年のイギリスでの第2版。ジャケットはoriginalと同じ。LXT5370は1957年頃に番号変更されて再リリースされたもの。EQカーヴは一般に言われているとおり、LXT2888はDECCAffrr、LXT5370はRIAA。

 テンポの変動はとくに終楽章では控え目ながら、音楽のうねりが顕著。オーケストラが上手くなったかのように聴こえます。

 あとは、ベートーヴェンの交響曲のレコードが比較的見つけやすいはず―

ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」
アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団
1950.5
英DECCA LXT2546 (LP)


ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」
アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団
1953.9.26
仏DECCA LXT2851 (LP)


ベートーヴェン:交響曲第6番「田園」
アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団
1953.9.25
英DECCA LXT2872 (LP)


ベートーヴェン:交響曲第6番「田園」
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
1948.2.24-25
英DECCA LXT2587 (LP)


ベートーヴェン:交響曲第7番
アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団
1950.5.9
独DECCA LXT2547 (LP)


ベートーヴェン:交響曲第9番
ヒルデ・ギューデン(ソプラノ)
ジークリンデ・ワーグナー(アルト)
アントン・デルモータ(テノール)
ルートヴィヒ・ウェーバー(バス)
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 ウィーン楽友協会合唱団
1952.6
英DECCA LXT2725、LXT2726 (2LPバラ)


 英プレスに仏盤、独盤も混じっていますが、EQカーヴはすべてDECCAffrr。

 レコードは以上。


Erich Kleiber

 次に、PREISER RECORDSのCDが3点、BiddulphのCDが1点あったので記載しておきます―

モーツアルト:交響曲第38番 2,3.2.1929
J・シュトラウスII:Du und Du Walzer 3.2.1929
同:芸術家の生活 1,2.2.1929
ヨゼフ・シュトラウス:オーストリアの村つばめ 1.2.1929
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
PREISER RECORDS 90115 (CD)


 これは"150 Jahre Wiener Philharmoniker Erich Kleiber"という表題で、ジャケットもクライバーの写真を飾っているが、このdiscにはジョージ・セル指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団による以下の録音も収録されている。
J・シュトラウスII:ピツィカート・ポルカ
同:トリッチ・トラッチ・ポルカ 26.6.1934
同:春の声 26.6.1934
同:美しく青きドナウ 26.6.1934


"Erich Kleiber dirigiert"
モーツアルト:アイネ・クライネ・ナハトムジーク 1934
シューベルト:交響曲第8番「未完成」 1935
リスト:交響詩「前奏曲」 1936
スメタナ:交響詩「モルダウ」 1927
ドヴォルザーク:スラヴ舞曲 op.46 Nr.1 1927
J・シュトラウスII:「ジプシー男爵」序曲 1933
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(モーツアルト、シューベルト、J・シュトラウス)
チェコ・フィルハーモニー管弦楽団(リスト)
ベルリン国立歌劇場管弦楽団(スメタナ、ドヴォルザーク)
PREISER RECORDS 90229 (CD)


"Erich Kleiber dirigiert 2"
ベートーヴェン:ドイツ舞曲 1932
同:交響曲第8番から第2楽章 1932
ウェーバー(ベルリオーズ編曲):舞踏への勧誘 1931
ニコライ:「ウィンザーの陽気な女房たち」序曲 1934
メンデルスゾーン:「真夏の夜の夢」から3曲 1928
リスト:「タランテラ、ヴェネツィアとナポリ」 1932
ドヴォルザーク:スラヴ舞曲 1929
ドヴォルザーク:「婚礼舞曲」 1931
スメタナ:「売られた花嫁」序曲 1931
ビゼー:「カルメン」から4曲 1936
ベルリン国立歌劇場管弦楽団(ドヴォルザーク:スラヴ舞曲)
チェコ・フィルハーモニー管弦楽団(ビゼー)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(上記以外)
PREISER RECORDS 90287 (CD)


Erich Kleiber conducts waltzes by Strauss, Heuberger & Weber
ウェーバー(ベルリオーズ編曲):舞踏への勧誘 1932
ヨゼフ・シュトラウス:オーストリアの村つばめ June 1933
J・シュトラウスII:「ジプシー男爵」序曲 June 1933
同:芸術家の生活 3/2/1929
同:「こうもり」序曲 June 1933
同:Du und Du Walzer 3/2/1929
同:皇帝円舞曲 1932
ホイベルガー:「オペラ舞踏会」序曲 June 1932
R・シュトラウス(Singer編曲):「薔薇の騎士」からワルツ September 1934
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(芸術家の生活、Du und Du)
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
Biddulph WHL002 (CD)


 いやあ、この4枚のCDがいいんですよ。とりわけ英Biddulphの音質(復刻)は最上級。戦後のDECCA録音と同列に比較するものでもないかもしれませんが、これらの旧い録音の方が、より生き生きとしている。戦後のDECCA録音だけ聴いて、この指揮者は穏健派かと思っていたところ、少し印象が変わります。意外と骨太で引き締まった厳しい表情も。それでいて、高貴なまでに上品です。ただし、その音楽造りはあらかじめリハーサルで徹底しておくタイプでしょう。即興性とは無縁。

 戦前の録音をもっと聴いてみたいなと思っていたところ、廉価盤レーベルViniasから34枚組CDが発売されました。ほぼ確実に、既出盤のコピーだと思われますが(法的には問題ない)、この指揮者の戦前録音をLPであれ、CDであれ、全部集めるのはなかなか難しいので、これだけまとまっているのはやはりありがたいですね。

“エーリヒ・クライバー・コレクション”

CD 1
ベートーヴェン:「フィデリオ」序曲 1956
ウェーバー:「オイリアンテ」序曲
同:交響曲第1番
モーツァルト:交響曲第39番
同:ドイツ舞曲 ハ長調,K.600 No.1
同:ドイツ舞曲 ト長調,K.600 No.5「カナリア」
同:ドイツ舞曲 ハ長調,K.602 No.3
同:ドイツ舞曲 ハ長調,K.605 No.3「そり乗り」 以上January 1956
 ケルン放送交響楽団

CD2
ヴェルディ:「レクイエム」(その1) November 1955
 アンナ・マリア・ロヴェーレ(ソプラノ)
 ジーン・マデイラ(コントラルト)
 ラルフ・ランベルト(テノール)
 ジュリオ・ネール(バス)
 ウィーン楽友協会合唱団
 ウィーン交響楽団

CD 3
ヴェルディ:「レクイエム」(その2) November 1955
 アンナ・マリア・ロヴェーレ(ソプラノ)
 ジーン・マデイラ(コントラルト)
 ラルフ・ランベルト(テノール)
 ジュリオ・ネール(バス)
 ウィーン楽友協会合唱団
 ウィーン交響楽団

ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」 April 1955
 ウィーン・フィルハーモニ管弦楽団

CD 4
モーツァルト:交響曲第36番「リンツ」 1954
 ベルリン国立歌劇場管弦楽団
チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」 March 1955
 ケルン放送交響楽団

CD 5
ダッラピッコラ:「管弦楽のための2つの作品」
ベルク:「ヴォツェックから3つの断章」
ハルトマン:交響曲第6番 以上May 1955
 バイエルン放送交響楽団

CD 6
ヘンデル:歌劇「エジプト王妃ベレニーチェ」 序曲 January
 ベルリン国立歌劇場管弦楽団
ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」 December 1955
 シュトゥットガルト放送交響楽団

CD 7
モーツァルト:歌劇「フィガロの結婚」序曲 June 1955
 ウィーン・フィルハーモニ管弦楽団
同:交響曲第36番「リンツ」 December 1955
 シュトゥットガルト放送交響楽団
ベートーヴェン:交響曲第6番「悲愴」 May 1955
 チェコ・フィルハーモニ管弦楽団

CD 8
ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」 January 1955
 ベルリン国立歌劇場管弦楽団
同:交響曲第6番「悲愴」April 1955
 ケルン放送交響楽団

CD 9
ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」 April 1955
 ケルン放送交響楽団
ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界から」 November 1954
 ベルリン国立歌劇場管弦楽団


CD 10
チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」 1953
 パリ音楽院管弦楽団
スメタナ:「我が祖国」からヴィシェフラド November 1954
 ベルリン国立歌劇場管弦楽団

CD 11
ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」 March 1955
シューベルト:交響曲第5番
R・シュトラウス:交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」 以上January 1953
 北ドイツ放送交響楽団

CD 12
モーツァルト:交響曲第33番
シューベルト:交響曲第9番「グレイト」 以上November 1953
 ケルン放送交響楽団

CD 13
ベートーヴェン:交響曲第6番「田園」
同:交響曲第5番「運命」 以上September 1953
 ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団

CD 14
R・シュトラウス: 交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」
ベートーヴェン:交響曲第6番「田園」 以上January 1953
 ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団

CD15
ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱」 June 1952
 フルデ・ギューデン(ソプラノ)
 ジークリンデ・ワーグナー(アルト)
 アントン・デルモータ(テノール)
 ルーヴィヒ・ウェーバー(バス)
 ウィーン楽友協会合唱団
 ウィーン・フィルハーモニ管弦楽団

CD 16
ヘンデル:歌劇「エジプト王妃ベレニーチェ」序曲 1946
ベートーヴェン:「エグモント」序曲 January 1948
 NBC交響楽団
同:交響曲第3番「英雄」May 1950
 ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団

CD 17
ベートーヴェン:交響曲第4番 April 1950
同:交響曲第7番 May 1950
 ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団

CD 18
チャイコフスキー:交響曲第4番 1949
 パリ音楽院管弦楽団
J・シュトラウスII:歌劇「ジプシー男爵」序曲 1948
 ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
同:ワルツ「ウィーンの森の物語」 December 1947
 NBC交響楽団
ヨーゼフ・シュトラウス:ワルツ「天体の音楽」 February 1948
 ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団


CD 19
ドヴォルザーク:序曲「謝肉祭」
ベートーヴェン: 交響曲第6番「田園」 以上1948
モーツァルト:交響曲第40番 April 1949
 ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団

CD 20
ベートーヴェン:「ミサ・ソレムニス」(その1) March 1948
 ビルギット・ニルソン(ソプラノ)
 イェスタ・ベックリン(テノール)
 ジークルド・ビョルリンク(バス)
 ストックホルム・フィルハーモニー管弦楽団 同合唱団

CD 21
ベートーヴェン:「ミサ・ソレムニス」(その2) March 1948
 ビルギット・ニルソン(ソプラノ)
 イェスタ・ベックリン(テノール)
 ジークルド・ビョルリンク(バス)
 ストックホルム・フィルハーモニー管弦楽団 同合唱団
同:交響曲第3番「英雄」 January 1948
 NBC交響楽団

CD22
J・シュトラウスII:歌劇「ジプシー男爵」序曲 1947
ドヴォルザーク:序曲「謝肉祭」
同:交響詩「野鳩」
チャイコフスキー:交響曲第4番 へ短調,op.36 以上January 1948
 NBC交響楽団

CD 23
コレルリ:コンチェルト・グロッソ ト短調「クリスマス協奏曲」
シューベルト:交響曲第5番
ファリャ:歌劇「はかなき人生」より序奏と舞曲
ボロディン:交響曲第2番 ロ短調 以上December 1947
 NBC交響楽団

CD 24
シューベルト:交響曲第3番
ワーグナー:楽劇「ジークフリート」より森のささやき
同:「パルジファル」より前奏曲
同:「パルジファル」より前奏曲と「聖金曜日の奇跡」
同:「タンホイザー」より序曲 以上March 1946
 NBC交響楽団

CD 25
ベートーヴェン:「ミサ・ソレムニス」 October 1946
 ニダ・ホフマン
 マファルダ・リナルディ
 リディア・キンダーマン
 コロモン・ファン・パタキー
 エマニュエル・リスト
 コロン歌劇場管弦楽団&合唱団

CD26
リスト:交響詩「前奏曲」
ビぜー:「カルメン」より第1幕への前奏曲
同:「カルメン」より第2幕への前奏曲
同:「カルメン」より第3幕への前奏曲
同:「カルメン」より第4幕への前奏曲 以上June 1936
 チェコ・フィルハーモニ管弦楽団
ヒナステラ:バレエ組曲「蝶」
ラヴェル:組曲「マ・メール・ロワ」 以上1946
 NBC交響楽団

CD 27
モーツァルト:セレナーデ第13番「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」 May 1934
ウェーバー:「プレチオーザ」序曲 October 1932
ニコライ:「ウィンザーの陽気な女房たち」序曲 September 1934
レズニチェク:歌劇「ドンナ・ディアナ」序曲
ストラヴィンスキー:幻想曲「花火」 以上June 1932
シューベルト:交響曲第8番「未完成」 January 1935
スッペ:序曲「軽騎兵」 January 1933
R・シュトラウス:歌劇「薔薇の騎士」よりワルツ September 1934
 ベルリン・フィルハーモニ管弦楽団

CD 28
ヨハン・シュトラウスII:喜歌劇「こうもり」序曲 June 1933
同:歌劇「ジプシー男爵」序曲 June 1933
同:皇帝円舞曲 June 1931
同:ワルツ「美しく青きドナウ」 June 1931
同:ワルツ「酒、女、歌」 
同:加速度円舞曲
同:ワルツ「千夜一夜物語」 以上June 1932
ヨーゼフ・シュトラウス:ワルツ「オーストリアの村つばめ」 June 1933
ヨーゼフ・ランナー:ワルツ「シェーンブルンの人々」 June 1931
 ベルリン・フィルハーモニ管弦楽団

CD 29
ウェーバー(ベルリオーズ編曲):舞踏への勧誘, op.65
スメタナ:歌劇「売られた花嫁」序曲 以上June 1931
R・シュトラウス:歌劇「薔薇の騎士」よりワルツ February 1931
同:交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」
ヤナーチェク:ラシュスコ舞曲 以上 September 1930
 ベルリン・フィルハーモニ管弦楽団
サン・サーンス:死の舞踏 April 1930
 ヨーゼフ・ヴォルフシュタール(ヴァイオリン)
 ベルリン・フィルハーモニ管弦楽団
ストラヴィンスキー:組曲「火の鳥」 September 1928
 ベルリン国立歌劇場管弦楽団

CD 30
ヘンデル:歌劇「アルチーナ」よりバレエ音楽
ハイドン:弦楽四重奏よりセレナーデ
ベートーヴェン:ドイツ舞曲 第12番
同:交響曲第8番より第2楽章
リスト:巡礼の年第2年への追加ヴェネツィアとナポリ より第3番タランテラ(管弦楽版) 以上1932
ベルリオーズ:歌劇「ベンヴェヌート・チェッリーニ」序曲
同:「ファウストの劫罰」よりハンガリー行進曲 以上June 1930
メンデルスゾーン:「真夏の夜の夢」より スケルツォ、夜想曲、結婚行進曲 1928
マイアベーア:歌劇「シュレージェンでの野営」序曲
ホイベルガー:喜歌劇「オペラ舞踏会」序曲 以上1932
 ベルリン・フィルハーモニ管弦楽団

CD 31
ベートーヴェン:交響曲第2番 1938
 ベルギー国立管弦楽団
J・シュトラウスII:ワルツ「芸術家の生涯」
同:仲良しのワルツ
ヨーゼフ・シュトラウス:ワルツ「オーストリアの村つばめ」 以上Feburary 1929
 ウィーン・フィルハーモニ管弦楽団
J・シュトラウスII:ワルツ「美しく青きドナウ」 1923
 ベルリン国立歌劇場管弦楽団

CD 32
ドヴォルザーク:スラブ舞曲 1927
同:スラブ舞曲 1929
 ベルリン国立歌劇場管弦楽団
同:交響詩「野鳩」 June 1931
同:スケルツォ・カプリチオーソ September 1930
 ベルリン・フィルハーモニ管弦楽団
同:交響曲第9番「新世界より」 1929
スメタナ:「我が祖国」からモルダウ 1927
 ベルリン国立歌劇場管弦楽団

CD 33
ベートーヴェン:「エグモント序曲」 June 1931
同:「コリオラン序曲」 September 1930
 ベルリン・フィルハーモニ管弦楽団
同:交響曲第2番 May 1929
 ベルリン国立歌劇場管弦楽団
J.S.バッハ(シェーンベルク編曲):前奏曲とフーガ 変ホ長調 April 1930
 ベルリン・フィルハーモニ管弦楽団

CD 34
モーツァルト:歌劇「イドメネオ」序曲  1928
 ベルリン・フィルハーモニ管弦楽団
同:交響曲第38番「プラハ」 Feburary 1929
 ウィーン・フィルハーモニ管弦楽団
同:交響曲第39番 1927
 ベルリン国立歌劇場管弦楽団
同:ドイツ舞曲 ハ長調,K.509 No.6
同:ドイツ舞曲 ト長調,K.571 No.4
同:ドイツ舞曲 ニ長調,K.571 No.6  1928
 ベルリン・フィルハーモニ管弦楽団
同:ドイツ舞曲 ヘ長調,K.600 No.2  1927
 ベルリン国立歌劇場管弦楽団
同:ドイツ舞曲 ロ長調,K.600 No.3
同:ドイツ舞曲 変ホ長調,K.600 No.4
同:ドイツ舞曲 ト長調,K.605 No.2  1928
 ベルリン・フィルハーモニ管弦楽団

Venias VN026 (34CD)


 戦前の録音はSP音源であるため、どうしてもダイナミックレンジが狭い。なので、やや平坦に聴こえることは否定できず、多少は想像で補わなければならないんですが、モーツアルトやベートーヴェンの古典的造形、ロマン主義音楽の多彩な表情と色彩感ある響き、それでいて感性に溺れるよりもくっきりとしてた輪郭線で描かれた立体感ある音楽が明朗な推進力を感じさせるあたりは見事なものです。やはりいっそう聴き応えがあるのは、前半に収録されている1940年代、1950年代よりも、1930年代の録音です・・・と思えば、PREISERとBiddulphの4枚のCDがあれば十分だったかな(笑)


 レコード(LP)を再生した装置について書いておきます。
 古いmono盤ではカートリッジをortofon CG 25 Dで、「魔弾の射手」と「薔薇の騎士」のみSHELTERのmonoカートリッジを使いました(「フィガロの結婚」のSTEREO盤は今回聴いていません)。スピーカーはSiemensのCoaxial、いわゆる「鉄仮面」をチャンネルあたり2基の後面開放型Sachsen 202で聴いています。なお、私はmono盤でもスピーカーは2本で聴きます。部分的に、TANNOYのMonitor Gold10"入りCornettaでも聴いています。
 また、EQカーヴはRIAAで疑問を感じたものは適宜ほかのカーヴを試し、結果はなるべく記載しておきました。



(Hoffmann)